【ハイキュー】異性を き ゅ ん とさせる【短編集】

ときめきの図書室。―黒尾鉄朗 ページ19

*同い年 両片思い*








・





授業が終わった後、流れで一緒に図書室に行く。


黒尾が部活を引退してから、私たちは毎日のように二人で受験勉強に勤しんでいる。


別に付き合っているわけではない。


…ただ、仲が良いだけ。


…ただ、距離感が他の人より近い、気がするだけ。





・




2人で向かい合って二時間ぐらい勉強をして、


目が合ったら、それが帰宅の合図。



これもいつの間にか成立していた暗黙のルール。





・



帰りは黒尾が家の前まで送ってくれる。


これもいつの間にか成立していた。



まるで、なんて思うけれど、私はその一歩を踏み出す勇気を持ち合わせていない。





・





黒尾「俺さぁ」



A「んー？」



黒尾「これからもAと一緒に勉強したり、こうやって一緒に帰ったり、するもんだと思ってるんだよな」




・






瞬間、息が詰まる。






・




黒尾「…お前は、どう思ってんの」







A「…ばか、ちゃんと言わなきゃわかんないよ」






・




息が白く染まる季節。



なのに私の右手は彼のぬくもりに包まれてあたたかい。

同じ匂い。―二口堅治→←わたがしみたいな甘さもたまになら。―及川徹

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す