及川さんは浮気性

浮気性 ページ31

徹はぽつりぽつりと話し始めた


及「さっきスポーツ店でさ、冷めたっていったけど」


あれ嘘なんだと笑った

貴「嘘？」

及「うん。冷めたって言ったら気持ち分かってくれなかったねーって浮気ごっこやめてくれるかと思ってさ」


貴「そう、だったんだ」


及「気持ちはすごくわかったよ。悲しくなるしむかついたし。」


貴「…伝わってくれてよかったよ」



でも何故か本当にそう思っているの？って疑ってしまう


及「俺、最初は何人も告ってきて断るのも可愛そうで浮気ばっかしててさ。」


でもAと付き合ってからするやつは


及「全然嫉妬してくれないAを妬かせるためにしてる行為だった」

やっぱり徹の表情はどこか儚げだ


徹も色々と不安だったのかな


貴「私、わざわざそんなことされなくたって徹のこと好きだよ。」


…あ。ちゃんといえた。

前は言えなかったのに

及「ほんと？」


もうすっかり飛雄の虜かと思ってたよ


そういって徹は私に軽くキスをした。


貴「…ねえ」

及「ん？」

貴「今の話本当だよね？本当は違う人と付き合ってて私は浮気相手で代わり。」


なんてことないよね？？

そんなことないだろうけど、一応聞いてみた

及「ホントに勘が鋭いね」


俺に似たのかな？と今度は楽しそうに笑う

及「今は本当に嘘はついてないよ」

Aは浮気相手なんかじゃないし、本当に好きだと思ってるよと言った


貴「じゃあ前は？私は浮気相手だったの？」



驚愕した。全然気づかなかった、だってあんなに朝暖かい手で私の手を包んでくれて。中学の時もキスを何度もしてくれた。


及「うん。黙っててごめん」


本当にこの人は浮気性なんだと思い知った

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