よそみしないでキスをして【赤】

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そのあとも一緒にお弁当を食べてたけど

なんも入ってこなくてただ大毅くんのことが頭をよぎる。


私から振ったのに、

さすがに重たい女だって思われてもしょうがない。


かみちゃんはまだ用事が残ってるらしくて

今日は1人で教室まで戻る。

いつもならかみちゃんが話を振ってくれるのに。

でも今日はちょうどよかったのかもしれない。

こんな状態の奴と話しても楽しくないもん。





「……っ、すみません、」





お弁当箱を抱えてボーッと歩いてたから
誰かにぶつかってしまった。

慌てて下げた頭を上げると目を開いて驚いてる大毅くん。




重岡「A、ちゃん」


「大毅くん…、」


『だいちゃーん？』




数日ぶりのはずなのに

大毅くんに呼ばれた名前はトク、トクと音を立てる。

一瞬吸い込まれた大毅くんの世界は

幼馴染の女の子の声ですぐに連れ戻された。


大毅くんは「ごめん」とだけ残してその子のほうに向かった。


もう、大毅くんの視界に入ることは許されないのか。







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