008 : タウ・ドラコーニス ページ8
.
「俺も」と亮くんの冷たい手に頬が包まれる。
いたずらっ子みたいに笑うから
「冷たい」と言っても離してくれないと思う。
触れられてる頬が熱くなる。
『照れてる？』
「照れてないよ、」
『嘘。照れてるよ、その顔は』
グイッと顔を近づけられて、
キスされると思って目をつぶっても
一向に唇に何かが触れることがない。
うっすらと目を開けると亮くんはまたいたずらっ子みたいに笑う。
『キスされると思った？』
「…近いから反射的に瞑っただけだよ」
『ちょっとは期待したでしょ？』
「してないよ、亮くんだもん」
『したって、絶対』
「してない、絶対」
亮くんは眉毛を下げて笑うと
ちゅ、っと音を立てて私にキスをした。
鼻と鼻がぶつかって、唇が優しく触れる。
そのまま見つめ合うと照れくさくなって
さっきのやり取りが馬鹿らしくなって、
同じタイミングで笑い出した。
『Aちゃんが可愛いから我慢できなかった』
「ほんとは期待してたから嬉しいよ」
『…もう一回キスするよ』
「そういうことは聞かないでください」
『聞いたら照れるじゃん』
「照れない、し…！」
もう一度唇が触れると亮くんは楽しそうに
「油断禁物」と笑った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 957人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みるく(プロフ) - 続きまってます😭 (2月23日 0時) (
レス) id: 831d9c5ab9 (このIDを非表示/違反報告)
梨菜(プロフ) - この作品大好きなので、連載またしてくれて嬉しいです！！ありがとうございます！ (2019年6月1日 23時) (レス) id: b47de58dc9 (このIDを非表示/違反報告)
リョウ(プロフ) - また、吉沢君の小説を書いてくださりとても嬉しいです！更新頑張って下さい！ (2018年10月5日 8時) (レス) id: 7c0cec81f9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花霞
| 作成日時：2018年10月4日 21時
