031 ページ31
.
『…はい、カルピス』
「え?」
自分の恥ずかしさで頭がいっぱいになっていると
神山くんがカルピスを差し出してきた。
カルピスを持っていない方の手には
もう一本のカルピスを持っていてすぐに私の分だと理解した。
「ごめんね!110円だっけ?」
『ええよ、これくらい』
「でも、買い出しのときも奢ってもらっちゃったし」
『女の子から巻き上げるわけないやろ、
こういうのは黙って受け取っておくの〜。な?』
「…じゃあ、ごめんね、いただきます」
『ごめんねやなくて?』
「ありがとう」
私がそう言うと満足そうに笑って頷いた。
「戻ろっか」と声をかけようとしたとき、
ちょうどチャイムが鳴った。
『はよ行かな、遅刻扱いやん』
「あっ、そうだった!」
『俺ら朝早く来て準備しとったのになぁ〜?』
「神山くん!早く!行こう!」
遅刻扱いや〜、と言ってるけど神山くんは急ごうとしない。
たまらず腕を掴んで走ろうとすると
神山くんの腕を掴んだはずの私の手はいつのまにか
神山くんの大きい手に包まれていた。
『よっしゃ、ひとっ走りや!』
「えっ、ちょっ!」
目の前で走る神山くんの背中は大きくて
手から伝わってくる神山くんの体温にドキドキしながら
幸せに浸っていた。
.
803人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かみやまつしま♪(プロフ) - 完結してすぐ見つけて、ドキドキキュンキュンしながら読ませていただきました!私も続編希望します…!!! (2018年12月20日 23時) (レス) id: 1532c3336c (このIDを非表示/違反報告)
瀬菜 ..。(プロフ) - 初めまして。ランキングから飛んできて、初見だったんですけど勢いで全て読みました。とてもきゅんきゅんしました...!神山さんがもっと好きになっちゃった。素敵なお話をありがとうございました! (2018年12月15日 7時) (レス) id: 603ee3830c (このIDを非表示/違反報告)
たまちゃん(プロフ) - 完結おめでとうございます!最後まできゅんきゅんしてました!楽しかったです(*^^*) (2018年12月15日 1時) (レス) id: faa7b83006 (このIDを非表示/違反報告)
ハルタ(プロフ) - 完結おめでとうございます!とってもキュンキュンするお話で、読みやすくて、素晴らしい作品でした。ぜひ、続き読みたいです。頑張って下さいp(^-^)q (2018年12月10日 21時) (レス) id: 3eaa2e0c73 (このIDを非表示/違反報告)
あおのりちゃん - とっても素敵なお話でした!このお話は私の中で一番大好きなお話です!もし出来たらでいいのですが、続編をつくってくださると嬉しいです! (2018年12月10日 17時) (レス) id: b890d2b513 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花霞 | 作成日時:2018年9月23日 13時