誰かタイトル考えてごらん【夏油傑】【呪術廻戦】

誰よりも近くで。 ページ18

五「！！

……は、そんなわけないじゃん！誰があんな馬鹿を…」



夏〈一番君の近くにいたからね、私の目は誤魔化せないよ〉


五「………」




夏〈……ごめん、とは言わないからね〉


五「…そもそも謝る必要なんかねぇだろ。アイツが選んだんだから」


夏〈…うん〉


五「……それに”俺”は、Aのこともだけど傑のことも好きだから、二人が幸せならそれで十分幸せ。
言っとくけどこれはガチだからな」


夏〈…そっか、ありがとう、悟〉


五「ドウイタシマシテ。
お前ら馬鹿夫婦の面倒見てやれんのなんて僕くらいしかいないんだから常に感謝してよね」

夏〈ふふ、ハイハイ、よろしく頼むよ〉



じゃあ私もシャワーに入るから少し外すよ、Aに伝えて。そう言って傑は電話を切った。









緊張していた訳でもないのに何かが切れたように出たのは深い溜息。

それと同時に込み上げてきたのはチクチクとした嫌な痛み。


……ずっと押し殺して我慢し続けていた、痛み。







五「……ははっ…
”だった”、じゃなくて、好きなんだっつーの…」







思い知らされる現実。



何度思ったことだろう。

”Aがもう一人いたらよかったのに。”






未だ大きな歌声が聞こえる浴室への扉に手を当てる。

このまま扉を壊して全て奪ってしまえたら、どんなに良かったか。


……でも絶対にそんなことはしない。
傑も、Aも、僕にとってはかけがえのない人間だ。

この二人の幸せは僕が守る。


絶対に守ってみせ……『ドーーン！！！！』



五「ブベッ！！！」


『あ？なにいたのお前。悟ちゃん大丈夫でちゅかぁ〜？』



五「……てめぇ…一人時間に加えて感傷に浸る時間まで奪うつもりか…」


『はー？何言ってんの？
ていうか！そんなことよりアイス！アイス買いに行こ！！』


五「はぁ…ハイハイ。とりあえず先に髪乾かしなよ」


『五条やって！！私自分でやると乾かない体質なんだよね！！』


五「どんな体質だよ」






……こんな、いつでも明るくて、空気なんて読もうともしなくて、馬鹿すぎる所が堪らなく好き”だった”んだよ。









五「……気付いとけよ、馬鹿」


『何ー？なんか言ったー？ドライヤーのブオオオ！しか聞こえませーーん！！』


五「なんも言ってねーよ、黙って前向け」


『ブオオオオ！！』





……仕方ねぇからそばにいてやる。
お前らを誰よりも近くで見ててやる。


なんてったって俺は、お前らの”親友”だから。

VS博多美人。→←包容力の塊。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す