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「(宇髄先生また絡まれてる……)」
自分には無関係と言うような冷めた目をしたAは、今日も今日とて圧倒的女子の人気を誇る宇髄天元という教師を一瞥して職員室の扉を開けた。
「……失礼しまーす」
テスト期間と言うだけあって、職員室は若干ピリッとした空気がする。この期間、生徒の出入りは基本禁止だ。
Aはさっさと鍵を取って「失礼しました」と足早に出ていった。
「……さっきより増えてる?」
先程とは違う位置でさらに女の群れを作っている宇髄にAはやれやれと肩を落とす。
鍵を取ったことを伝えようと思っていたが、あの中に突っ込んで行けるほどの肝は据わっていなかった。
仕方ないと踵を返し、黙って美術室へ向かった。
廊下の窓はどこも開けっ放しだ。
生ぬるい風がまくった袖の隙間に入り込み、深緑へ姿を変えようとする木々達は「夏がくる」と噂話をするようだ。
Aはなんとなく足を止めて、遠くに見える楽しげな生徒達の姿をぼんやり眺めていた。
「……すまない!!そこの君!!」
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塩じゃけ(プロフ) - モカァコさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(泣)コメントを下さるだけで十分お気持ちは伝わっておりますよ( ´ ` *) (2020年1月2日 12時) (レス) id: a1c423deca (このIDを非表示/違反報告)
モカァコ - すごく面白いです!やっぱり表現の仕方がめちゃくちゃ好みです!なんだか見てる訳でもないのにその場の想像ができます!私は語彙力が無いですねwww (2020年1月2日 10時) (レス) id: c6bb044a72 (このIDを非表示/違反報告)
塩じゃけ(プロフ) - あやのさん» コメントありがとうございます!嬉しすぎて画面直視できませんでした(笑)実際、書く際によく意識する事だったので本当に嬉しかったです。ありがとうございますm(*_ _)m (2019年12月31日 1時) (レス) id: a1c423deca (このIDを非表示/違反報告)
あやの(プロフ) - 塩じゃけさんの小説は何か引き込まれるようなものがあってとても好きです! 特に煉獄先生が桜を見ている描写などは実際に自分もそこにいる気がして読んでいてとても面白いです! 応援してます! (2019年12月30日 23時) (レス) id: ec8abc2a53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:塩じゃけ | 作成日時:2019年12月1日 22時