ウヌボレくん？ 2 (ページ29)

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真剣な顔で私を見下ろす彼に

ほんの少しだけ怖いと思ったけど、私が望んだことで間違いないわけで

『うん

......って言ったら、どうする...？』

素直にそうですと言えないのはやっぱり恥ずかしいからで、彼の視線から逃げれば

「あぁもう...俺まじ我慢してたのに...」

『え...？』

「だって、A絶対初めてでしょ？高校の頃のこともあるし、俺もどーしたらいいかわかんなくて、」

微妙に乾き切っていない髪の間から見える彼の顔は
戸惑いとか優しさとか、色んな感情が入り交じってやけに色っぽく見えて

「しかもなんか、今日めっちゃ可愛いの着てるし」

「ワンピースなのに全部ボタンの感じとか、見える脚とか、俺今日耐えらんのかなって」

そう言ってぐしゃぐしゃと自分の髪を触る彼

隙間から覗く耳はやっぱり真っ赤で、さっきまで緊張してたのに、あぁなんか愛おしいなって

『...我慢しないでよ』

「...自分が何言ってるかわかってんの？」

『そこまで無知じゃないよ、それに、』

『......初めては、湧くんじゃないといや、だから...』

やっと言えたその言葉に、ため息と同時にそんな煽んなって、とよく分からない言葉を零した彼は

目にかかっていた私の前髪に触れると、小さく微笑んだ

「優しくするから......多分、」