ウヌボレくん？ 2 (ページ21)

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本当にごめん、と謝る彼の苦しそうな表情は嘘だとは思えなくて

『...ビックリはしたけど、もう気にしてないよ』

そりゃもちろん、彼の過去を知っているからこそ、
私が自分の過去を知っていると知ったからこそ、

お互い不安だったんだと思う

だけど、私は大学生になって変わった湧くんを好きになったから

『...私、一目惚れだったんだ』

無論、高校時代の彼も好きだったのだけれど。

「え...」

『入学してすぐの頃...玄関の近くで散らばった資料集めるの手伝ってくれて、職員室まで運んでくれたの...覚えてないよね』

またごめん、と呟く彼に首を振る

『...多分、湧くんが優しい人だって分かってたから、
遊び人になってからも好きでいられたのかな』

人は簡単には変われない、いい意味でも、悪い意味でも。

『...そのまま、綺麗な思い出にしとけば良かったのにね』

思わず零れたその言葉を彼は聞き逃さなくて
やっぱり、と呟いた

「あの日の...Aだったんだね」

『...どうせなら好きな人と、なんて思っちゃったんだ』

言葉にしたけど、やっぱりこんな過去を晒すのは本人相手といえどしんどくて

思わず俯いた