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元木side
コンビニに夜ご飯を買いに行こうと外に出たとき
ふと目に入った彼女の部屋には明かりが灯ってなくて
おかしいな、大丈夫かなって
気付いたら彼女の部屋の前に立ってた。
ずっと既読にならないメッセージを横目に、通話ボタンを押せば、繋がらないと思っていたそれは突然繋がって
もしもし？なんて、ありふれた言葉しか出てこなかった
確かに繋がったはずなのに、電話口からの応答はなかなか無くて、自分からかけたくせに戸惑う
だけど、その後聞こえてきたのは彼女の少し震えた声で
開いた扉の先で謝る彼女を優しく抱きしめた
俺の最低な過去を知っているのに
俺の部屋にいるアイツを見たのに
静かに俺の腕に収まる彼女に、ぎこち無く腰に回る彼女の手に、泣きそうになった
だけど、俺にはちゃんと話さなきゃいけないことがたくさんあるから
彼女の小さな背中を追って入った初めての部屋
導かれるまま座った真っ白いソファ
触れ合わない肩をもどかしく感じながら、俺はあの日の話をした
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作者名：きい
| 作成日時：2020年12月19日 15時
