『距離感』Ⅱ (ページ8)

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「へー！まつくの幼馴染みなんだ！」

「あいつこんな可愛い幼馴染み居たのかよクソー」

「Aちゃんも、お酒どう？」

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ほろ酔いの先輩たちのマシンガントークに

宮近先輩もそんな質問攻めすんなって、と止めてくれようとしたけど

お酒の入った先輩たちはいいじゃんかよーって全然やめてくれなくて

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『えっと、、、あの、、、』

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アタフタしてると先輩は頼んだお酒を私に渡してきてほら飲みな、みんな飲んでるって！

なんて悪魔の囁き

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みんなって...海斗も宮近先輩もしっかりルール守ってるじゃん

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でも一口でも飲めばこの先輩たちは満足してくれるかもしれない

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ちょっとこの状況もしんどい...というか面倒くさくなってきた

そう思いグラスに手をかけようとしたとき

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「お前らなにやってんの」

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いつもより幾分か低いその声

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「なんだよ海斗ーちょっとくらいいいじゃんよー」

「ばーか、いいわけねーだろ」

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シッシッ、と私にお酒を勧めてきた先輩たちをあしらうと、私の隣に座った海斗は

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「お前も、お酒は飲むなって言っただろ？」

って。

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心配してくれたのはめちゃくちゃ嬉しかったけど、
さっきのユカ先輩とのシーンが脳裏に過って

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『...まだ飲んでないもん』

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可愛くない私は海斗から顔を背ける

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「もう、何拗ねてんだよ」

『拗ねてない』

けど

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『今日はもう帰りたい』

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私のそんなワガママに
海斗は二つ返事でわかった、というと

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幹事であろう人に2人分のお金を渡して

ちゃかわりぃ、先帰るわ、と先輩に声をかけ

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「帰るぞ」

って、私を連れ出してくれた