『距離感』Ⅱ (ページ6)

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「Aちゃん、またね！」

絶対入ってね！とちゃっかりサークルに勧誘してきた宮近先輩に別れを告げ、私は海斗と帰路についた

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「急に連れてっちゃってごめんな」

『全然！楽しかったよ！宮近先輩も面白くていい人だったし』

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私がそう言うと、アイツはまじで良い奴だよ！って、なんだか自分の事のように嬉しそうにしていて

海斗らしいなって。

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『私、音楽サークル入ろっかな』

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私がそう言うと、ホントに？！って海斗は目を輝かせた

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『ていうか私、海斗がギターやってるの知らなかったんだけど！』

「あー、大学から始めたんだ。ギターも持ってないからホールに置いてあるやつ使うしかなくて。」

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今はギター買うためにお金貯めてるんだって、教えてくれた

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『てことはサークルに行けば海斗のギターが聞けるってことか！』

「うわー、それは恥ずかしいな」

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海斗は頭を掻きながらそう言うと

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「上手くなって1曲ちゃんと弾けるようになったら、
Aに1番に聞いてもらいたいな」

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って、絶対こっちの方が恥ずかしいでしょ、みたいなセリフを今度は恥ずかしげも無く呟いた

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『うん、絶対聞かせてね』

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私の言葉に海斗は嬉しそうに微笑んだ