『距離感』Ⅱ (ページ43)

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海斗side

「よっ、松倉！」

「え、ちゃか？！」

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そんな過去のことを思い出していると、突然後ろから肩を叩かれる

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「え、わざわざ来てくれたんだ」

「あったりめーだろぉ？」

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ほら、と自分はそんな得意じゃないはずなのにコーヒーを俺に差し出す

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「ありがと」

「それで？Aちゃんとは話せたの？」

「いや...」

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ったくー、と呆れる彼。

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まぁ呆れられても仕方がない。
俺は何も出来なかったんだから。

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ちゃかはなぜか俺の気持ちに気付いていたらしく、俺が彼女を振ってしまったあと、よく話を聞いてくれた

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「せめてさ、自分の言葉でちゃんと伝えれば？直接はもう無理だけどさ」

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時計を見ると、あと10分で搭乗時間

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これが最後のチャンスかもしれない

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「ちゃか、ありがと。俺、電話してくる。」

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そう言って、俺は後ろを向いた

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友だち欄から久々に開く彼女のページ

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「...よし。」

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意を決して電話マークをタップ、しようとしたときだった

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「待って！」

「え？何ちゃか」

「直接、言えそうだよ。」

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そう言った、ちゃかの視線の先を見ると

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「え、A...？」

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ずっと、会いたかった人がそこに立っていた＿＿＿