『距離感』Ⅱ (ページ36)

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そのまま、海斗とも何も話すことはないまま月日は流れ

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あっという間に卒業シーズンを迎えた

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私たち3年生も期末考査を終え

「やーーーーーっと春休みだー！！！！！！」

『元太うるさい』

春休みと言っても、私も元太ももう就活生となるわけで

今までのようにうかうかして居られない

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「俺たちももう4年生になるんだな」

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元太も同じことを思っていたようで、大きくため息をついている

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『幸せ逃げるよー内定逃げるよー』

「え、やめてよ縁起でもない」

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そんなことを言い合いながらいつもの様に2人並んで帰路につく

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「そうだ、ちょっと遠出しない？」

『あーいいね、たまには遠出も！』

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私たちは大学生だと言うのに2人とも免許を取っていないから行動範囲が狭く、いつも近場で済ますことが多い

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『どこ行く？』

「美味しい海鮮丼食べたい！」

『いいねそれ！それならやっぱ日本海の方かな？』

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そうなるとお泊まりか、元太とお泊まりなんて小学生ぶりかな

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なんてことを考えていると元太は言った

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「俺、3月めっちゃバイト入れちゃったから泊まるなら3/20.21しか空いてないんだけどいい？」

『え？』

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3月20日...

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それは確か海斗が北海道に経つ日

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"クラ、3/20にこっち出るらしいからお前空けとけよ"

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いつか兄に言われた言葉を思い出した

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最後くらい、ちゃんとおめでとうと言ってさよならしよう

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そう思っていたけど

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「A？」

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というか、元太は知らないのだろうか

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だけど私には聞けなくて

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『3/20ね、うん、大丈夫だよ』

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よっしゃー！っと喜ぶ元太を見たら

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仕方ない、そう思うしかなかった

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だって私は元太のことが好きで、元太の彼女なのだから＿＿＿