『距離感』Ⅱ (ページ34)

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確かに、あの頃から海斗とはほとんど会っていなかった

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4年生にもなると講義自体はかなり少なくて、それに加えて就職活動も忙しくなる

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海斗と行き帰りが被ることなんて滅多になかった

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それでも、たまに見かけることはあったけど

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私は元太と居ることが多かったから、そういう時は海斗は絶対に話しかけてこなかった

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元太と二人で会ったり私とも少なくなったけど話したりする事はあったのに

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どうしてだろう、と少し疑問に思っていた

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邪魔しちゃ悪い、なんて気遣うほどの仲でも無いはずなのに

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やっぱり、あの告白から私と海斗の間には距離ができてしまったんだ

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「...A、一緒に海斗の就職祝い買いに行かね？」

『え？』

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そんな事が頭を駆け巡る中、元太から発せられたのは意外な言葉だった

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というか、彼が海斗という名前を私の前で出すのはかなり久しぶりな気がする

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『...元太はやっぱり知ってたんだ』

「あー、うん…ごめん、海斗に伝えといてって言われてたんだけどなかなか言い出せなくて...そしたら海人からAに言っちゃったって連絡があって...」

『そっか、、』

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海斗は元々私に直接教えてくれる気は無かったんだ

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『...うん、行こっか買いに。ついでにお兄にも買おうかな！』

「ついでにとか、海人可哀想～」

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なんとなく虚しい思いをかき消すように明るく言えば、元太もそう乗ってくれて

私たちはカフェを後にした