『距離感』Ⅱ (ページ25)

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結局今日の講義は全く頭に入らなくて

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...まぁ普段から真面目に受けてるかって言われるとちょっとあれなのだれけど

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最近は海斗と会う時以外で彼の存在を頭に浮かべることはだいぶ減っていたのに

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今日は1日私の頭を支配していた

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やっぱ人から言われるってだけで全然違うんだな

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「A？」

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正門でスマホを眺めながら元太が来るのを待っていると呼ばれる名前

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デジャブだなと思いつつ振り返ればそこにいたのは、今日1日私の頭に住みついていた彼

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『...あ、海斗』

「今帰り？一緒に帰る？」

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そう "いつも通り" 声をかけてくれる海斗に

"いつも通り" が出来ない私は
あー...なんてはっきりしない返事

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「...あ、こんなところに立ってるってことは誰かと待ち合わせか！」

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ごめんごめん、なんて笑いながら言う彼になんて返したらいいか分からない

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元太のこと待ってる、と言えばいいのに言えない自分に嫌気がさす

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そいえば元太は海斗に私と付き合ったことを言ったのだろうか

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そんなこと、元太に聞けるわけもなくて、もちろん私から海斗に報告もできるわけなくて。

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そんなことが頭を駆け巡った