『距離感』Ⅱ (ページ13)

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『お邪魔しまーす』

「いらっしゃーい...ってあれ、海人は？」

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海斗のお母さんに挨拶をし部屋に行くと
お酒とおつまみが当たり前のように3人分用意されていた

事情を話せば海斗はアイツらしいな、なんて笑ってて

その後突然姿勢を正すと

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「A、20歳のお誕生日おめでとう！」

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どこからか取り出されたクラッカーが弾ける

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『びっくりしたぁ...ありがと！』

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私のリアクションに満足気な顔を見せた海斗は
小さな箱を私に差し出した

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『何これ！開けていい？？』

「どーぞ！気に入ってもらえるかわかんないけど...」

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ちょっと不安そうな海斗を他所にワクワクしながら可愛く包装されたリボンを解く

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『え、これ、、、』

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出てきたのは小さな飾りが付いたネックレス

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「Aに似合うかなって思って、、、どうかな」

『めちゃくちゃ嬉しい...可愛い！さすが海斗だね、私の趣味分かってる！』

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自分でも分かるくらい目を輝かせながら海斗の方を見れば少し照れたように頭を掻きながらよかった、と笑いかけてくれた

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「付けてあげる」

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その一言で海斗は私の手からネックレスを奪うと、私の後ろに回りかけてくれる

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心臓がﾄﾞｸﾘﾄﾞｸﾘ、と静かに音を立てる

なんか、付き合ってるみたい。

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『ねぇ、手震えてる？』

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首元に飾りが付いてからなかなか金具を留めることが出来ない海斗に自分の鼓動がバレないようにそう茶化すと

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「うるせ、緊張してんの」

って。

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なにそれ。私だって緊張してるのに。
先に言っちゃうなんてずるい。

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「...よし出来た」

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そんなことを考えていたらやっと付け終わった海斗はまた私の正面に来ると、今自分でつけたネックレスと私の顔を交互に見た後言った

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「似合ってる」

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海斗がプレゼントしてれたことも、海斗が付けてくれたことも、そう言ってくれたことも

全部全部嬉しくて堪らない

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「よっしゃ、飲むか！」

そうだ、今日の目的はお酒を飲むことだった、なんてふと我に返り

『海斗先輩！よろしくお願いします！』

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私は急いでいつも通りを装った