44. ページ44
*
＿＿＿sota
クラスでも圧倒的な存在感を示す湧と
優しくて誰からも好かれるあじ
その子は、そんなクラスの中心みたいな2人とよく一緒にいた
不釣り合いだな、なんて最初は失礼なことを思ってた
他のクラスメイトと親しくしているところは見たことないし、声も、ほとんど聞いたことない
授業中は絶対挙手なんかしないし、出席番号で当てられた時はなにかに怯えるように立ち上がって、手を震わせながら解答していた
割と最初の頃から気になる存在だった
そんな時、席替えがあって、まさかの隣の席になった
しかも湧やあじ、中学から仲が良かったユウも近くの席
これは、仲良くなるしかないって
でも、自分から声をかけるのは結構勇気が必要で
席替え初日は話しかけられなかった
「颯太！」
「ん？わくおはよ、」
「おはよ！あのさ、友達になってくんね？」
「え、俺ら友達じゃなかったの？」
「ちげぇよ！俺じゃなくて、隣のこいつ！」
次の日、湧が指を指したのは俺の隣の席
ちょっと、肩をすぼめながら申し訳なさそうにこちらを向く彼女に
かわいい、って素直に思った
「俺、うちむらそーた、よろしくね」
『あ、えっと、AAです...』
俺の差し出した手に、オロオロしながら手を出したり引っ込めたりする彼女がやっぱりかわいくて
その手を自分から握った
「Aちゃん、よろしくは？」
『よ、よろしくお願いします、』
耳まで真っ赤にしてる彼女を、ケラケラと笑った湧は、
おいユウお前も！って
俺の前の席のユウにも声をかけて2人を握手させた
「Aちゃんずっと話してみたかったの！」
『え、そ、そんな、』
「ホントだよ！ねぇ颯太？」
「え？うん、そうそうどんな子なんだろ〜って」
湧くんと居るんだから絶対仲良くなれるって思ってた〜って笑いかけてるユウに、え、なんかそれバカにしてる？なんて湧が返して、まぁまぁふたりともってあじがなだめる
今思えば、友達になった頃から、ずっと変わんないな俺ら
俺らの後ろの席のあじと湧、前に座るユウの3人の会話の中心で
ふと合った視線に、驚いたのは彼女の方だったようで
ビクッ、と肩を揺らすとアニメかってくらい分かりやすく目を泳がせて、一頻り泳がせたあと
もう一度俺に視線を向けた彼女は、困ったように眉を下げたままぎこち無く笑った
「っ、！」
何でかわかんないけど、その初々しい笑顔に
一瞬で、心が奪われたんだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 833人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「少年忍者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ucst0307(プロフ) - きいさん» 完結おめでとうございます！めちゃくちゃ面白かったです😭何度も読み返します！！ (2021年12月22日 0時) (
レス) id: f62ccc5a63 (このIDを非表示/違反報告)
きい(プロフ) - ucst0307さん» お返事大変遅くなってしまいすいません🙇♂️とても嬉しいお言葉ありがとうございます！最後まで楽しんでいただけていたら嬉しいです(^ ^) (2021年12月19日 16時) (レス) id: 5fec2377c4 (このIDを非表示/違反報告)
ucst0307(プロフ) - コメント失礼します。今一番楽しみにしている作品です！^ ^これからも楽しみに更新待っております♪ (2021年11月15日 0時) (レス) @page39 id: f62ccc5a63 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きい
| 作成日時：2021年9月25日 0時
