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私を包み込んだ彼の体は、少しだけ、震えていた
「俺があの日、ちゃんとAちゃんのこと振ってたら......Aちゃんがこうやって泣くこともなかったのに、...」
『っ、そんな、こと、』
「湧にバレた日だって、1人で辛い思いさせて......、ホント俺無責任だよね、」
ごめん、ごめんね、と謝る度強くなる腕の力が、苦しくて愛おしい
『颯太くんのせいじゃない......』
『私だって、拒めなかった......ちゃんと、拒むべきだった、』
こういうのって、どっちがが悪いとかじゃない
間違いなく2人は "同罪" なのだ
『...そーたくんは、ユウちゃんのこと、好きでしょ、？』
だから、私は同罪だとしても、1人で全部責任を負いたかった
2人の幸せを奪ったのだから、それくらいさせてほしかった、それなのに...
「っ、わかん、ない、...」
語尾が震えていた
初めて、彼が私の前で涙を零した
『っ、...ずるいよ、颯太くんは......』
「...自分でも、そうおもう、」
『......ねぇ、颯太くん』
「なに、？」
『これで、最後にしよ』
ゆっくりと身体が離れ、彼の唇に自分のを重ねた
2回目の自分からのそれ、ちょっとは大人になっただろうか
優しく縫い付けられたベッドの上で、こうして颯太くんに触れてもらえるのも最後なのか、と思うと
また涙が出そうになったけど、ちゃんと颯太くんの顔、焼き付けたくて必死に堪えた
『っ...そ、たくん、』
「うん、...」
『好き、...だいすき、』
いつも一方的に伝えては、かわいい、ありがと、なんて言葉を返してくれた
今思えば、私は彼にとって浮気相手にすらなれてなかったのかもしれない
だって、私には愛があったけど、彼にはなかった
ただの、身体の関係だったのだから
でも私は、それで十分幸せだった
それなのに...
「......っ、おれ、も、」
『っ、』
やっぱり彼はずるい
最後の最後に、そんなこと言わないでよ
折角堪えてた涙が重力に逆らうように横に流れた
それを追いかけるように目じりに這う彼の舌も、唇も、
触れられる細くて長い指も、微笑む顔も、時より歪む表情も
全部全部、大好きだったから
俺も、なんて言葉は聞かなかったことにしようって
『......好き、っ』
それを伝えるのは、私だけで十分だから＿＿＿
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ucst0307(プロフ) - きいさん» 完結おめでとうございます！めちゃくちゃ面白かったです😭何度も読み返します！！ (2021年12月22日 0時) (
レス) id: f62ccc5a63 (このIDを非表示/違反報告)
きい(プロフ) - ucst0307さん» お返事大変遅くなってしまいすいません🙇♂️とても嬉しいお言葉ありがとうございます！最後まで楽しんでいただけていたら嬉しいです(^ ^) (2021年12月19日 16時) (レス) id: 5fec2377c4 (このIDを非表示/違反報告)
ucst0307(プロフ) - コメント失礼します。今一番楽しみにしている作品です！^ ^これからも楽しみに更新待っております♪ (2021年11月15日 0時) (レス) @page39 id: f62ccc5a63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きい
| 作成日時：2021年9月25日 0時
