31 ページ31
*
情報過多
脳の処理が追いつかない
＿＿＿時が、止まったみたいだった
きっと触れるべきは、ずっと一緒にいた幼馴染からの想像もしてなかった告白
だけど、頭に残ったのは、絶対バレてはいけない私の罪
『...な、んの話、？』
「っ、とぼけんなって」
『......や、』
重なってるのと反対の手が、私の髪に触れ、そっと耳にかけられた
顔を歪めた湧は、まるで腫れ物を触るかのように、その赤い跡を指でなぞった
やっぱり、昨日見られていたんだ
「これ、颯太だろ...？」
『ちが、』
「昨日、！オレらが買い物行ってるときだろ、それ以外あり得ねぇんだって」
湧の言う通りだ
昨日髪の毛を結んでいたのだから、それまでの間にはあるはずがない
でも、湧たちが帰ってきたあとにはそれがあった
そりゃ、彼以外の可能性はゼロだ
......もう、誤魔化しは効かない
「.....いつから、？」
『...半年、くらいまえ、』
「そんなに......じゃあやっぱり前5人で集まった日、家帰ってなかったんだ、」
小さく頷けば、まっすぐ私の目を見ていた湧の瞳が揺れて、なんで、って
私の手を握っていたその手は離れて、
頭を抱えてしゃがみ込んだ
「......ユウだよ？颯太の彼女、」
『っ、わか、ってる...』
「ユウ、お前のこと大好きじゃん、」
『わた、しだって、...』
私だって、ユウちゃんのこと大好きだし
たった1人の親友で大切な存在
それは今も、変わらないはずだった
「じゃあなんで、！」
『......颯太くんのこと、ずっと好きだったから、』
自分でも、酷いことを言っている自覚はあった
きっとこれは、あの日以上に湧のことを傷付ける言葉
さっきの告白も、忘れたわけじゃないけど
私も、必死だった
『もう、私にもわかんないの、どうしたらいいか......
ユウちゃんのこと大切だけど、颯太くんのことが好きで、私の事求めてくれるのが嬉しくて、断れなくて、』
罪悪感すらをも飲み込んでしまうくらい、彼との時間が愛おしくて手放せなくなった
いつのまにか、戻れないところまで来てしまった
『...だからごめん、湧の気持ちはうけとれ、っ！』
「黙って」
視界がぐわんと傾いた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 833人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ucst0307(プロフ) - きいさん» 完結おめでとうございます！めちゃくちゃ面白かったです😭何度も読み返します！！ (2021年12月22日 0時) (
レス) id: f62ccc5a63 (このIDを非表示/違反報告)
きい(プロフ) - ucst0307さん» お返事大変遅くなってしまいすいません🙇♂️とても嬉しいお言葉ありがとうございます！最後まで楽しんでいただけていたら嬉しいです(^ ^) (2021年12月19日 16時) (レス) id: 5fec2377c4 (このIDを非表示/違反報告)
ucst0307(プロフ) - コメント失礼します。今一番楽しみにしている作品です！^ ^これからも楽しみに更新待っております♪ (2021年11月15日 0時) (レス) @page39 id: f62ccc5a63 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きい
| 作成日時：2021年9月25日 0時
