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そこからの記憶は曖昧だった
安嶋くんが呼んでくれたのであろう先生が何人か私の周りを囲んでいて、何かで私の右足を必死で押さえていた
そこに何が起きているのかはもうよく分からなくて
でも自分の手の平の赤になんとなく察しはついていて
大変なことになってしまったんだってことは分かった
気付いた時には病院にいて、右足にグルグルと大袈裟に巻かれた包帯に何だか涙が出た
「多分、倉庫に置いてあったコンクリートブロックの角が刺さったんだと思う、」
『......』
着いてきてくれた若い担任の先生が、震えた声で何ともえげつない事実を伝えてくれた
足に、固いそんな物が刺さった
そりゃあんなに痛いわけだ
かなり傷口が大きかったらしく、何針か縫ったと教えてくれたけど、何だかもうよく分からなかった
足の痛みなんかよりも全然、心が痛かった
「A、！！」
母親も来てくれて、少し心が落ち着いてきた時
いつもの大きな声が、いつもよりも焦った声が響いた
『わく、...』
「あじから聞いた...オレのせいだろ、？」
『っ、...』
「なぁA、アイツらが、お前のこと...っ」
気を利かせてくれたのか、母親は涙する湧の肩を優しく撫でると、飲み物買ってくるね、って病室を出ていった
「アイツ...昨日オレに告白してきて、...でもオレアイツのことよく知らないし、ごめんって断ったんだ、」
「そしたら何か泣かれて、Aさんがいるから？って聞かれて...違うって言ったんだけど、そのまま帰っちゃって...」
ごめん、A、って
ボロボロと涙を流す湧に引っ込んだはずの涙がまた流れてきて
湧は悪くないよって、言わなきゃいけないのに
悪いのは全部あの子たちだよって、今度は私が慰めなきゃいけなかったのに
『......わた、し、もう湧といるの、つらい...っ、』
「っ、...」
今でも、あの時の湧の傷付いた顔は鮮明に覚えてる
だけど、あの時の私は自分のことで精一杯で、余裕なんかなくて
ただ怖かったあの瞬間、あの情景が頭を支配していた
「......ホント、ごめん、...」
最後にそう言った湧はフラフラと1人病室を出ていった
それから私たちは、中学を卒業するまで
一言も言葉を交わすことは無かった
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ucst0307(プロフ) - きいさん» 完結おめでとうございます！めちゃくちゃ面白かったです😭何度も読み返します！！ (2021年12月22日 0時) (
レス) id: f62ccc5a63 (このIDを非表示/違反報告)
きい(プロフ) - ucst0307さん» お返事大変遅くなってしまいすいません🙇♂️とても嬉しいお言葉ありがとうございます！最後まで楽しんでいただけていたら嬉しいです(^ ^) (2021年12月19日 16時) (レス) id: 5fec2377c4 (このIDを非表示/違反報告)
ucst0307(プロフ) - コメント失礼します。今一番楽しみにしている作品です！^ ^これからも楽しみに更新待っております♪ (2021年11月15日 0時) (レス) @page39 id: f62ccc5a63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きい
| 作成日時：2021年9月25日 0時
