23. ページ23
*
＿＿＿
「A〜、帰ろ！」
『うん！』
幼稚園生、いやそれよりも前から湧とはずっと一緒だった
嬉しいことがあれば一緒に喜んでくれたし、悲しいことがあれば大丈夫だよ！って慰めてくれた
幼稚園生の頃、湧は私にとってヒーローで
気弱だった私の盾によくなってくれていた
今思えば、湧は私にとっての初恋ってやつで
当時は気付かなかったけど、小学生の頃までいつも隣にいた湧がずっと好きだった
だけど中学生になった時、こうやって男女でずっと一緒に居るのは "普通" じゃないんだと知った
"Aちゃんって湧くんと付き合ってるの？"
何人かにそんなことを聞かれたことがあった
なんで一緒に行き来してるだけでそうなるのか、私にはあまりよく分からなかった
小学生の頃から少年野球をやっていた湧は当たり前のように野球部に入ったから、週一でしか一緒に帰ることは出来なかったけど
一緒に帰れる日は必ずA！帰ろ！って
私たちにとってはそれが "普通" だったら
だけど、中学2年生になってから何かが少し変わった
「A〜帰るぞー！」
違うクラスだった湧は放課後1番で私を呼びに来る
私にとってそれは日常だったはずなのに、ある日からやけに視線を感じるようになった
最初は湧の大きな声に反応しているだけだと思っていたけど、自分に向けられた視線だとすぐに気付いた
湧と帰れる週に一回のその時間が楽しみだったはずなのに、いつからか、憂鬱になっていた
女の子たちから突き刺さる視線が怖くてたまらなかった
元々、人見知りでコミュニケーション能力も高くない私はクラスにも友達は少なかったし、全然目立つようなキャラじゃなかった
だから、いつからか私に話しかけてくれる女の子は居なくなった
それでも、私には湧の帰るぞを無視することなんて出来なくて
『...うん、ちょっと待って！』
バレないように、いつも通り笑って
湧の隣に並んだ
そんな日々が始まって数ヶ月、あの事件が起きたんだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 833人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「少年忍者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ucst0307(プロフ) - きいさん» 完結おめでとうございます！めちゃくちゃ面白かったです😭何度も読み返します！！ (2021年12月22日 0時) (
レス) id: f62ccc5a63 (このIDを非表示/違反報告)
きい(プロフ) - ucst0307さん» お返事大変遅くなってしまいすいません🙇♂️とても嬉しいお言葉ありがとうございます！最後まで楽しんでいただけていたら嬉しいです(^ ^) (2021年12月19日 16時) (レス) id: 5fec2377c4 (このIDを非表示/違反報告)
ucst0307(プロフ) - コメント失礼します。今一番楽しみにしている作品です！^ ^これからも楽しみに更新待っております♪ (2021年11月15日 0時) (レス) @page39 id: f62ccc5a63 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きい
| 作成日時：2021年9月25日 0時
