転機雨 (ページ50)

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end ページ50

*

「......ねぇ、A？」

『うん、？』

そっと、両肩に置かれた手に身体が離れる

何やらガサゴソとポケットに手を突っ込んだ彼にまた首を傾げていれば、そこから出てきた小さな箱に、心臓が止まりそうになった

「......もう俺、隣にいるのはAしか考えられない」

『っ、私もだよ、』

「あんまり贅沢も出来ないと思うし、楽もさせてあげられないかもしれない......でも、

たくさん愛を伝えるし、ずっと傍に居る、約束する」

彼と手によって小さなその箱が開いた
控えめな光に、胸がぎゅっと締め付けられて目の奥がツンとする感覚

「絶対に幸せにする...だから、俺と結婚してください」

私を見つめるその瞳はあの日からは想像も出来ないくらい綺麗な透明で、希望で満ち溢れていた

きっとこれが、彼の本当の色で、そこに私が映っていることが心底幸せに感じる

『...はい、私なんかでよければよろしくお願いします』

語尾はちょっと震えていた

はぁ緊張したぁ...！と私に身を委ねてくる彼の背中にギュッと腕を回す

「ねぇ泣かないでよ(笑)」

『うぅ、泣くよそりゃ...幸せすぎるもん...』

笑いながらも、優しく私の涙を親指で拭った彼は
好き、って少し掠れた声で囁いたあと唇を重ねた

「...これからもっと幸せにするから、覚悟しといてよ？」

私たちの大きな人生の転機

やっぱり今日も、雨が降っていた

『転機雨』 end

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こんにちは、こんばんは、作者です。
ページ数の都合上短くはなりますがこちらで失礼します。

最後まで読んでいただいた皆様、評価、お気に入りをして下さった方々、ありがとうございました！

空虚な入道雲

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作者でした。