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小学1年生の時、父親が消えた
"パパ、今日もお仕事なの？"
"ごめんな元太、パパ最近忙しくてさ"
"そっか...何時に帰ってくる、？"
"ごめん分からない...けどパパ頑張って早く帰ってくるからいい子で待っててな？"
"わかった！"
オレの頭をわしゃわしゃと撫でた父親はいつも通り笑顔で行ってきます、と家を出た
その父親が、家に帰ってくることは一生なかったんだ
「...家に帰ってきた時、Aがいないと不安だった」
「父親みたいに、もう帰ってこないんじゃないかって...」
あぁくそ、何でコイツの前で泣いてんだよオレ......
情けない、悔しい
「...俺たちあの日、お互いの過去を全部話したんです」
「......」
「先輩もアンタと出会った時、全部を共有できてるって思ってたんじゃないですか」
俺の要らないプライドだった
あの時、彼女に弱さを全部見せることが出来なかった
そうか、コイツと彼女はお互い丸裸になれているんだ
目には見えない、他人には分からない強い何かで繋がっているんだ
だからオレはコイツに負けたんだ＿＿＿
「...彼女は、こっちで元気にしてるんで心配しないでください」
俺が幸せにします。
そう言ってコイツは部屋を出ていった
「、うっ......ごめんな、......」
ずっと傍に居られなくてごめん
弱くてごめん
また苦しい思いをさせてごめん...
色んなごめんが思い浮かんでは溢れて、そりゃオレなんかとは居られないよなって
1ヶ月、見つめていただけの連絡先をゴミ箱に捨てた
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作者名：きい
| 作成日時：2021年8月31日 0時
