公安ですが、同居している上司に恋をしました【降谷零】

黒の頭脳 vol.4 ページ5

“対象が窓際に近づきました”


“ダメだ、喋ってる相手が邪魔で撃てたもんじゃないね”


『キャンティ、狙撃場所を変えましょう。今メールを送りました。』


“あいよ”


“オイ、狙撃のタイミングはいつ来るんだ”


『ジンは相変わらずせっかちですね。もう少し待ってください。』


先程から公安の人間が射殺を阻止しているが、そろそろジンが待ちきれないらしい。
仕方ない、一発掠らせて会場を混乱させるか。


《10分後に狙撃します。対象を射程圏内に移動させ、銃弾が当たるのを防いで下さい。並びに、会場内の混乱が予想されるので避難支持をお願いします。》


『キャンティ、位置に着きましたか？』


“いつでも撃てるよ”


『了解。もし逃した時の為にジンは会場前で待機を。』


相変わらず反応はない。
いい加減キレていいよね、これ。
と言いつつも、くだらない事でノックの疑いは掛けられたくない。
大人しくしておくことにする。


“対象がまた窓際に”


“これなら撃てるよ”


『狙撃許可を出します。』


インカム越しにﾊﾟﾝｯという音がして、混乱する人々の声が聞こえる。
映像から見るに、銃弾は対象にぶつかった警察官の肩を掠めたようだ。


“ちっ、関係ない奴に当たりやがった”


“会場が荒れてるわ、これ以上の射撃は難しそう”


『対象は恐らく控え室に移動します。ベルモット、頼めますか？』


ベルモットの映像が会場から離れたので、向かう気があるのだろう。
さて、ここからどう逃がすかが問題だな。


《ベルモットを対象の控え室に向かわせました。よろしくお願いします。》


とりあえず皆を信じて大雑把な支持を出してみる。
会長さんにはじたばたせずに控え室に居てもらうのが一番やりやすいんだけどな。

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