本庁の公安恋物語 vol.7 ページ15
『付き合ってるの、か…………』
正直、そんなの私が聞きたい。
降谷さんとは一緒に暮らしているし、休日を作ってグランピングにも行ったし、夜中でも迎えに来てくれる。
世間から見れば恋人と呼んでも問題は無い気もするな。
水都ホテルを出て、私はショッピング街を少し歩いている。
ベルモットはラムに呼ばれているからと言ってさっさと帰って行った。
今日は日曜だし、緊急の書類は午前中に片付けてしまったので、特になんの用事もない。
「あれ、藍里さん……ですよね?」
『ああ、蘭ちゃん。』
一人が映画館のグッズ売り場の袋を持っているので映画帰りだろうか。
「蘭、誰この人!めちゃめちゃ美人じゃない!」
「安室さんの大学の後輩なんだって。」
「じゃあポアロのお兄さんの恋人だ。」
『いや、だから違くて。』
女子高校生ってこうも恋愛の話に敏感だっけ。
そういえば由美によく他校の男子とのカラオケに連れ出されたな。
大学ではしっかりした合コンに昇格していたが、彼女は元気だろうか。
『映画見てきたの?』
「帝都リベンジャーズって知ってます?」
『観てないけど、最近よく聞くよね。私吉村涼の顔が好きでさ、DVDが出たらレンタルで見ようかなって思ってるよ。』
「吉村涼って童顔よね。安室さんも結構童顔な方じゃなかった?」
「じゃあこの姉ちゃんの片思いか!」
映画の話から結局ここに戻るのか。
私は心の中で大きくため息をつく。
もう、この子達になら話してもいいかもな。
『三人ともさ、時間ある?奢るからカフェでも入ろうよ。』
三人の返事はとても元気が良かった。
先程甘いものは散々食べたし、コーヒーも飲んでしまったのでジャスミンティーを頼む。
女子高校生達はそれぞれスイーツを頼んでいた。
『これ、友達の話なんだけどね?』
「そういう導入って、大体自分の話だよな。」
ぐうの音も出ない。
このまま私の話なんだろうな、なんて思われながら友達の話として最後まで通すのは些か恥ずかしいものがある。
『絶対誰にも言わない自信ある?恥ずかしいからあんまり広めないでね!?』
「あります。」
「あるわ。」
「もちろん。」
『信じるからね!?』
今から私は、公安警察としてあるまじき、秘密を暴露するという行為をしようとしている。
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雪月(プロフ) - クロコクさん» 指輪ありますか!情報ありがとうございます!過去編は回想のつもりで書いてるので本名バレてないです!家族の件は、まあいっかなって!色々と目をつけていただきありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2022年6月20日 2時) (レス) @page49 id: ffbd885888 (このIDを非表示/違反報告)
クロコク - 家庭教師の所で夢主本名バラしちゃってない?気のせい? (2022年6月19日 23時) (レス) @page46 id: 3f3443590f (このIDを非表示/違反報告)
クロコク - 降谷さんの名前知ってる人少ないのに、家族に名前教えちゃって、いいのかな… (2022年6月19日 23時) (レス) @page39 id: 3f3443590f (このIDを非表示/違反報告)
クロコク - 間違えた、ビックジェルで指輪はたまに出るのでありだと思います (2022年6月19日 23時) (レス) @page29 id: 3f3443590f (このIDを非表示/違反報告)
クロコク - ビックジェルで宝石はたまに出てるのでありだと思います (2022年6月19日 23時) (レス) @page28 id: 3f3443590f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うさ | 作者ホームページ:
作成日時:2022年5月5日 21時