Narzisse IV

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Wahrheit ページ10

街外れの郊外、人気の無い少し広い歩道を車椅子に乗った宮近とそれを押す宮舘は歩いていた。
整備されておらず砂利や土が混じる地面は車椅子の進行を妨げる。

｢この先進めば目的地なんだけど、どうする? 担ぐ? ｣

｢歩けるから別にいいです。車椅子、木の陰に置いていきましょうか。｣

｢ …はぁい、無理はすんなよ。｣

アタッシュケース片手に立ち上がった宮近を心配するように見た宮舘は宮近を支えた。宮近の持っているアタッシュケースを奪い取るようにした宮舘は足場の悪い道を進んでいく。川島からアカデミーの新人講師を迎えに行くよう頼まれた二人は太陽の光さえも遮るような木の生い茂る山道の先にある教会をめざしていた。

｢本当にこんなところに捜査官が住んでるのか? ｣

｢さぁ、川島特等が嘘の場所教えるはず無いでしょ。｣

｢お前本当に川島特等のこと好きだよな。良かったな仲直りできて。俺が巻き込んじゃったから…ごめんな。｣

｢別にいい。気にしてないですよ。気に病むことは無いです。｣

山道を進んだ二人は少し錆びたような風合の教会へ辿り着いた。宮近はスーツのポケットから川島から受け取った一枚のメモを取り出した。

｢白髪、背が高い、ほぼ脚。だそうですよ。｣

｢は??適当すぎるだろ。せめて名前とかさ。｣

宮舘の文句を聞き流した宮近は大きな扉の隣のチャイムを鳴らした。