Narzisse

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深澤が阿部や佐久間と関わるようになったのはそれからだった。痩せ細った身体では岩本を満たすことはできない。そう思った深澤は喰種と同じように肉を集めることにした。喰種だろうが人間だろうが、深澤にとっては利用する対象以外の何ものでも無かった。そんな深澤に阿部と佐久間は優しく接した。

｢ふっかは照が本当に好きだねぇ。｣

｢照は俺の生きる理由だから。｣

口癖のようにそう告げる深澤を阿部も佐久間も微笑ましく見つめていた。
自ら拾ってきた喰種か人間かも分からない肉を泣きながら食べる岩本の姿を深澤は見たくなかった。
岩本の為に深澤は剣を振るった。
阿部から念の為にと受け取った黒レースのマスクには紫紺色のガラス玉が埋められていた。

喰種であることを知られた岩本は深澤の前から消えようとしたがそれを深澤が許すことは無かった。

｢照、好きだよ。俺を一人にしないで。｣

深澤の少し不器用な笑顔が岩本の目に映る。
深澤は岩本への願いを何度も口にするのだ。

『お願い、照を生きる理由にさせてよ。』