7○救世主 ページ8
リビングに大きな音が広がる。
昔ほど怖く感じない、不思議。
「きゃあ!!」
「母さん!」
コップ、ガラスの破片が飛び散る。
床はびしょびしょだ。
あぁ…どうやって追い出そうか。
「相変わらず生意気な餓鬼だな…大人しく言う事聞けよ。」
「ふざけないで、私もう大人…」
母さんのそばによって、怪我がないのを確認する。
無事でなにより。
と、あいつは手に包丁を持っていた。
うちの包丁じゃん…勝手に何してるのこいつ。
「言う事聞けっつってんだろ。」
脅しのつもりなのか、何なのかは知らない。
でもいくら言われようとも、私はこんな人の言いなりになりたくない。
もうあんな思いはごめんだし…。
「はぁ…出て行って下さい。」
「…は?」
「出て行って下さいって言ってるんです。あんたなんか私の“お父さん”じゃない。」
今以上に眉間のしわが深くなる。
どんどん歪み表情は、鬼のようで…正直、少し怖い。
でもここで怯んでたって何も変わらないんだって。
「っこの…!!」
「っ…い…」
刃物振り回すとか…本当危ない人。
頬に当たり、血が垂れる。
「…切れちゃった…傷つけちゃったね、馬鹿なんですか。」
携帯を取り出し、電話を掛ける…素振りを見せた途端そいつは真っ青な顔をする。
包丁が床に落ちた。
「…はぁ…母さん、あとはどうするか決めてるの。」
「あ…えぇ…離婚、したいわ。こんな人とは一緒に居られない。」
悲しそうな顔をする母さんを横目に、包丁を拾い上げて机に置く。
床に置いておくと危ないからね。
あらかじめ用意してたらしく、母さんは部屋に戻り離婚届を持って来る事に。
あいつに背中を向けた時、背中が熱く感じた。
あぁ、マジか…。
「…っい…た…い…じゃん、か…」
「はは、あはは…」
「にゃあ。」
猫の声、クロの声だ。
どうして、出て来たらダメって言ったのに。
「大丈夫っすか?」
「な、ん…でここに…」
ロウレスに支えられ、なんとか立つ。
元々貧血であったためこの量は流石にやばいな…。
…今はそんな事どうでも良いかもしれないけど。
本当、こいつら救世主に見えるよ…。
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ルイヤ - 小説楽しかったです!続編も是非高評価をつけさせていただきますっ♪続編、がんばってくださあぁぁい! (2016年8月25日 9時) (レス) id: af3b7867e1 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ - 小説とっても面白ろかったです!続編とっても楽しみにしてます (2016年8月24日 20時) (レス) id: 160917dc59 (このIDを非表示/違反報告)
冥探偵 - 小説面白かったです!続編楽しみにしてます!(^∇^) (2016年8月24日 18時) (レス) id: 12549d5d6c (このIDを非表示/違反報告)
我猫 - 続編ですか!勿論拝見させて頂きます!この作品好きなので!これからも応援してます! (2016年8月24日 12時) (携帯から) (レス) id: eb7f40f9c1 (このIDを非表示/違反報告)
香霊 - 私、信乃さんの意見に賛成です!!面白かったです(*´ー`*)続編、楽しみにしてます!!頑張ってください(。・ω・。)ゞ (2016年8月24日 11時) (レス) id: 59c22b56e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆき花 | 作成日時:2016年7月22日 4時