第65Ｑ：ほんの少しの快感 ページ43
火神に押し負かされた橙野は、床に膝をついた
同じく火神も疲労して、座り込んだ。
『ははっ、情けねぇな。エースがこんなんじゃ…』
火神「うるせぇ」
『楽しかったぜ、火神。』
火神「ああ、こっちもだ」
牧田「ほいっ、」
牧田は橙野に手を伸ばす
牧田「立てよ。最後の挨拶するぞ」
言葉のとおり、“最後”の挨拶だった。
橙野は改めて、もう 藤宮と久遠と試合ができないことを悔やんだ。
『藤宮さん…久遠さん…俺…』
藤宮「お前ごときに心配される俺らじゃねーよ。
気持ちわりぃな。」
『はぁ！？』
久遠「ま、来年は必ず勝てよ。
3回戦敗退じゃ笑えないからな。」
牧田「ぎくっ」
『俺をこのチームに入れてくれたんだ。
後悔なんてさせねーよ。次は必ず』
久遠「ああ、それは頼もしいな」
藤宮「お前は最後まで生意気だな。」
『ははっ、許してくださいよ』
藤宮「うっし、挨拶すっか!!!!」
「『ありがとうございました！！！！！！』」
菅原高校の戦いは、終わった。
しかし、まだ橙野のバスケはこれからだ。
牧田｢A、頑張っていこうな｣
『言われなくてもな。』
牧田｢ひでぇ!!｣
悔しさとほんの少しの快感と
これからのバスケへの思いを持ち、
彼のウィンターカップは終わりを告げた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿___
菅原が負けたあともウィンターカップは続いていた。
橙野も時折、キセキの世代の対戦は見に行っていた。その度に黒子の活躍に度肝を抜かされていた。
そして、ついに訪れた決勝の日。
菅原高校の寮内のとある一室は慌ただしかった
観戦の準備がかかり、遅刻しかけていたからだ。
牧田｢なぁ、ほんとに見に行かねーの？｣
『どうしてもこの用事だけはずらせなかったんだよ。まぁ間に合えばいく。俺も気になるしな』
牧田｢そっか｣
『あ、でも試合の結果は
インターバル毎に送れよ。』
牧田｢お、珍しいじゃん。｣
『お前にももう分かるだろ。
俺にも視えない試合はある。もっともテツヤと火神は“キセキ”を起こす奴らだからな。』
彼は2人の光と影に思いを馳せていた。
あの二人なら、赤司を変えてくれるはず。
あいつらなら、この戦いの覇者になれる。と。
『さてと、俺も行くか。』
橙野の机の上には兄との家族写真がたてかけられていた。
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漣(プロフ) - SEIさん» いえいえ！こちらこそ、素晴らしい作品をありがとうございました！ (2022年2月19日 3時) (
レス) id: 8541a4cbcd (このIDを非表示/違反報告)
SEI(プロフ) - 漣さん» 長編の一気読み！！最後まで愛読していただき、ありがとうございます！楽しんでいただけたなら光栄です！ (2022年2月19日 2時) (レス) id: fb017ffbce (このIDを非表示/違反報告)
漣(プロフ) - 今読み終わったのですが、一気読みしました！すごく楽しい、そして素敵な作品でした。ありがとうございました！ (2022年2月19日 1時) (レス) @page50 id: 8541a4cbcd (このIDを非表示/違反報告)
RiR - とっても素敵なお話をありがとうございました！！ (2020年3月7日 13時) (レス) id: 6882897af8 (このIDを非表示/違反報告)
SEI(プロフ) - EMIKOさん» いえいえ！設定のとこにアバウトに書き込んできますね (2020年2月19日 23時) (レス) id: fb017ffbce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水無瀬。 | 作成日時：2019年12月3日 14時
