第56Ｑ：パンドラの箱 ページ31
『…お前、なんでそれを持ってる』
牧田｢勝手に開けたことはわりぃ。中は空けてねぇ
お前まだ読んでねぇんだろ？｣
『あいつの手紙なんか読むわけねぇだろ』
牧田｢こんなに大事に丁寧に取ってあるじゃんかよ
…なぁ、お前もわかってんだろ。
勝つためには兄貴とのことを向き合わなきゃならないって。
黒子の打開策はお前のお兄さんの技なんだろ。｣
『そうだとしてもだ。その手紙を読んでなんになる。
俺への罵倒しかないものを読んで、
兄貴とのそれに向き合えるっていうのかよ。
なんも知らねーやつがズカズカと勝手に俺の領域に入ってくんなよ。』
牧田｢知らねーやつじゃーねから言ってんだろ！！｣
＿ﾄﾞｶｯ
『いってぇなあ!!』
牧田｢仲間だろうが!!そんなお前にこっちは全て賭けてんだよ。半端なことはしないって言ったろ。｣
『…』
牧田の叫びで改めて思い知らされた。
…こいつには適わないと。
牧田｢お兄さんのことは気の毒だし 仕方ねぇ。
お前がもっと話したかったとか
兄貴がもっと話したかったとか
今無理なことをいちいち考えたってなんともなんねーだろ。
だったら、今やるべき事をやるしかねーじゃん。
過去から逃げるか。｣
牧田はふたたび拳をAに向ける。
『うおっ。』
間一髪で避けた橙野に牧田は笑ってこう言った
牧田「過去から学ぶか…だ。」
『…』
牧田「お前のお兄さんは、お前が勝った時になんていってくれたんだよ。
たとえ、最後の最後が嫌な奴だったとしてもお前のお兄さんの優しさは残ってるだろーが。」
______「すごいな、A。その調子だ」
＿＿__「どうだ、A、バスケもなかなか楽しいだろ」
『…牧田…俺…』
牧田「ほい。これは、お前が1人で読めよ。
そんじゃ、また後でな！
菅原の勝たせてくれよ、エース様」
『…』
1人残された橙野は、
封筒のテープを剥がす。
__ｷﾞｨｨｨ
パンドラの箱が開く音がする。
橙野の中で止まっていた時間は
ゆっくりゆっくり動き出した。
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漣(プロフ) - SEIさん» いえいえ！こちらこそ、素晴らしい作品をありがとうございました！ (2022年2月19日 3時) (
レス) id: 8541a4cbcd (このIDを非表示/違反報告)
SEI(プロフ) - 漣さん» 長編の一気読み！！最後まで愛読していただき、ありがとうございます！楽しんでいただけたなら光栄です！ (2022年2月19日 2時) (レス) id: fb017ffbce (このIDを非表示/違反報告)
漣(プロフ) - 今読み終わったのですが、一気読みしました！すごく楽しい、そして素敵な作品でした。ありがとうございました！ (2022年2月19日 1時) (レス) @page50 id: 8541a4cbcd (このIDを非表示/違反報告)
RiR - とっても素敵なお話をありがとうございました！！ (2020年3月7日 13時) (レス) id: 6882897af8 (このIDを非表示/違反報告)
SEI(プロフ) - EMIKOさん» いえいえ！設定のとこにアバウトに書き込んできますね (2020年2月19日 23時) (レス) id: fb017ffbce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水無瀬。 | 作成日時：2019年12月3日 14時
