渇望するトワイライト【ホークス】 ページ5
まただ。
今日もトゥワイスとの勉強会の最中に
隣の部屋から男女がよろしくやってる声がする。
それがただの解放戦士ならまだいいが、その声は明らかに昔なじみのAと荼毘の声なのだ。
どう思考を巡らせてもわざとに決まっている。
毎回狙ったかのように行われるソレに
ホークスははっきり言って辟易としていた。
もちろん、そんな幼稚な嫌がらせ我慢すればいい。
最初はそう思っていた。
けれど問題はそんな単純なものでもなかった。
くぐもった彼女の声の中に混じる悲鳴。
違和感を感じたのはそれだけじゃない。
毎度廊下ですれ違う度に覚束無い足取り
いつの間にか短くなっていた彼女の髪＿＿＿＿＿。
いつの日か長い髪が自慢だと言っていた彼女のソレは
今は面影すらなくて不自然に切られた様は燃えてしまったようにさえみえる。
今日は珍しく荼毘がいなくて彼女は1人。
その隙を狙ってホークスはAを部屋に連れ去った。
「腕まくって」
ホークスの言葉をAは拒否をする。
そうでなければ良かったのに。
願っていた思いも虚しく嫌な予感は確信に変わる。
彼らの関係は異常だ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿。
「なして」
やつれている彼女をみて不甲斐なさで溢れる。
「……もうアイツと話すのはやめた方がいい。
荼毘のことは俺が解決しておくからAちゃんは……」『やめて』
「でもこのままじゃ」
『大丈夫だから』
何度言ってもAはホークスの提案を否定する。
「大丈夫はわけなかと。そんなにボロボロのAちゃんほっとけるわけないでしょ」
『もういいから』
部屋を立ち去ろうとする彼女の腕を必死に掴む
『離してよ』
「無理です。このまま戻ったところで＿＿＿＿＿」
『3階建ての大きな家』
「え？」
ホークスの言葉を遮ったと思えば、彼女は突拍子もないことを言い出した。
『子供の頃ね、家の前に3i階建ての大きな家が建ったの』
ポツリと話し出した彼女の顔は
遠い昔に出会ったような幼い彼女の顔と重なった＿＿＿。
ひどい家庭環境だったと昔聞いた彼女の話。
きっと彼女はそれ以来心をそこに取り残したままなんだ
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作者名：SEI | 作成日時：2023年8月27日 1時
