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｢あんたなんか産みたくたかった｣
そんな母親の言葉を聞いた時から
永遠に疑問を繰り返すあの女は、
自分がどうやって生まれてきたのかなんて知りやしない。
人は愚かだと思った。どうして過ちを繰り返すのか。
人は残酷だと思った。どうして生まれてしまうのか。
俺も彼女もきっとその答えを探している＿＿＿＿＿＿＿。
太陽がジクジクと顔を照らしてくる朝の教室。
今日もまた意味のない1日が始まる。
「昔の人達は、地球が中心に置かれてると考えていて、太陽や月や星が、この地球の周りを回っているのだと信じていた。これを天動説といって……｣
学んだって何の足しにもならない先生のお話。
朝起きて学校に行って、帰ってきて
その中にロクな暮らしがあったわけじゃない。
ただ1つそんな中で意味があったと言えるのなら
隣の席の彼との時間だった＿＿＿＿＿。
｢ね、燈矢くん。今日もお山に連れてってよ｣
｢……お前もよく飽きないよな｣
『全然！だって、燈矢君がさヒーローになった時にさ
私ずっと見てたんだーって誇りにできるもん』
｢あっそ｣
今どき、ヒーローになりたい人なんて5万といて、
そんな自慢は何にもならない。
そんな彼女を燈矢自身、エンデヴァーの息子を見届けた箔が欲しいのかと思っていたが、そうではなかった。
『エンデヴァー？誰それ？』
｢は？知らねぇの？｣
『ごめん、うちテレビなくて』
｢それでよくヒーロー自慢しようと思ったな｣
｢オールマイト位は聞いたとこあるよ｣
【聞いたことある】彼女の世界においてヒーローはいつでも架空の存在だった。
日々に溢れる暴力と罵声。
そこから救い出してくれる存在が現実には居ないから。
本当はきっと帰りたくなかっただけ。
その時たまたま近くに居たのが彼で、以来見学と称して彼の傍にいるだけだ。
それ以上でもそれ以下でもない。
幸か不幸か個性上、炎の暑さには耐え切れる。
それもまた、彼を選んだ理由かもしれない。
君の鼓動が聞こえる。【轟燈矢】 ページ1
なぜ人は生命を産むのだろうか。
そんな母親の言葉を聞いた時から
永遠に疑問を繰り返すあの女は、
自分がどうやって生まれてきたのかなんて知りやしない。
人は愚かだと思った。どうして過ちを繰り返すのか。
人は残酷だと思った。どうして生まれてしまうのか。
俺も彼女もきっとその答えを探している＿＿＿＿＿＿＿。
太陽がジクジクと顔を照らしてくる朝の教室。
今日もまた意味のない1日が始まる。
「昔の人達は、地球が中心に置かれてると考えていて、太陽や月や星が、この地球の周りを回っているのだと信じていた。これを天動説といって……｣
学んだって何の足しにもならない先生のお話。
朝起きて学校に行って、帰ってきて
その中にロクな暮らしがあったわけじゃない。
ただ1つそんな中で意味があったと言えるのなら
隣の席の彼との時間だった＿＿＿＿＿。
｢ね、燈矢くん。今日もお山に連れてってよ｣
｢……お前もよく飽きないよな｣
『全然！だって、燈矢君がさヒーローになった時にさ
私ずっと見てたんだーって誇りにできるもん』
｢あっそ｣
今どき、ヒーローになりたい人なんて5万といて、
そんな自慢は何にもならない。
そんな彼女を燈矢自身、エンデヴァーの息子を見届けた箔が欲しいのかと思っていたが、そうではなかった。
『エンデヴァー？誰それ？』
｢は？知らねぇの？｣
『ごめん、うちテレビなくて』
｢それでよくヒーロー自慢しようと思ったな｣
｢オールマイト位は聞いたとこあるよ｣
【聞いたことある】彼女の世界においてヒーローはいつでも架空の存在だった。
日々に溢れる暴力と罵声。
そこから救い出してくれる存在が現実には居ないから。
本当はきっと帰りたくなかっただけ。
その時たまたま近くに居たのが彼で、以来見学と称して彼の傍にいるだけだ。
それ以上でもそれ以下でもない。
幸か不幸か個性上、炎の暑さには耐え切れる。
それもまた、彼を選んだ理由かもしれない。
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作者名：SEI | 作成日時：2023年8月27日 1時
