57 ページ10
『弔くん居ないと寂しいなぁ……』
超常解放戦線のアジト、群訝山荘
だだっ広いその施設は退屈で
Aはミニホークスの翼を撫でていた
コンプレス「お、Aちゃん 何してるんだ？ん？
ホークスか？？」
『そ！可愛いでしょ』
きゅるんとしたそのフォルムは本人の胡散臭さとはかけ離れていて、正直まぁかわいい
コンプレス「中になにか仕込まれてたりして
はは、なーんてな」
『昔貰った時はあったよ。
……ま、今のはなかったけどね』
＿＿「そー言わずに受け取って。ハイ」
あの日彼が渡してきたプレゼントはきっと
私を監視するため。ヒーローという世界に縛り付けるため
ホークスが助けにきてくれたのは私の為じゃない
社会に都合の悪いヒーローを消すためだったんだから
『ホークスの個性、便利だからなぁ
あ、でもコンプレスのもいいよね』
するりとコンプレスの手を取れば対等になる2人。
そんな彼女にコンプレスはため息をつく
コンプレス「……Aちゃん、誰彼構わず手を握るのやめなさい。おじさんドキドキしちゃつから」
『え〜？おじさん、女子高校生にキョーミあるの〜？』
コンプレス「あるって言ったら、君はどうするの？」
どきりと胸が騒ぐ。
そんなこと言われたこともなかった。
少なくとも真剣には
コンプレス「あのねぇ、Aちゃん。
おじさんがこんな事言うのもなんだけどさ、
誰にでも同じだけ注げるものは、愛情とはまた違う。
戦闘中はまだしも、なんも無い時に無闇にこういうことはしないの」
『…分かった』
何が良くて何がダメなのか
そんな簡単なことさえ彼女は知らない
＿ﾊﾞｻﾘ
窓の外に見える赤い翼
『あっ、ホークスだ』
無邪気にかけていく彼女がどうか幸せであるように。なんて、敵らしくない考えに彼はふと笑ってしまう
ホークス「ただいま〜」
群訝山荘の上空からホークスが降りてくる
『おかえり、ホークス』
ホークス「あれ、わざわざお出迎えしてくれたと？」
『丁度ホークス見えたから』
「おやおやおや」
そんな2人の会話をヒーローが邪魔をする
「どこかへ行かれてたナンバー2」
ホークス「コーヒー買いに。
ここのはドブみたいな味なんすよ」
『あ、それ！よくホークスがくれたやつ
久しぶりに飲みたくなった……』
ホークス「と思って、ハイ！先回りで買っておきました」
ホークスはスっと缶を差し出す
『さすが〜』
1年前と同じやり取りなのに今は何もかも違う
甘いコーヒーはちょっぴり苦く感じた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 623人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
SEI(プロフ) - ナナシさんさん» はじめましてコメントありがとうございます！是非是非楽しんで読んでいただければ幸いです (8月19日 1時) (
レス) id: aa2a9e2f26 (このIDを非表示/違反報告)
ナナシさん - 初めまして！凄く面白かったです！これからI want to be a Hero.やPlease give it back____.も読みに行きます！これからも頑張ってください！ (8月18日 21時) (レス) @page43 id: 84422b431c (このIDを非表示/違反報告)
SEI(プロフ) - サエさん» コメントありがとうございます！私宛ですかね？？ヒーローという光があればその分影も絶対にあると思っているので、そういう風に読んでいただけて光栄です！ご愛読ありがとうございました！！ (7月29日 0時) (レス) id: aa2a9e2f26 (このIDを非表示/違反報告)
サエ(プロフ) - 今回Rioさんの作品を読んで理不尽な社会での主人公がどう思っていたのかが文字だけでも伝わって思わず泣いてしまいました。まだとても良かったと伝えたいところが沢山ありますが、一つ言えるとするならとっっっても面白かったです！ありがとうございました。 (7月28日 22時) (レス) id: 42efebf64e (このIDを非表示/違反報告)
SEI(プロフ) - RIOさん» Rioさん、はじめまして！コメントありがとうございます！そう言って貰えて光栄です、最後までありがとうございました (7月14日 0時) (レス) id: aa2a9e2f26 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：SEI | 作成日時：2023年6月29日 23時
