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「立て、もう一度だ。泣いてる場合じゃない」
『…やだ…もうやだよぉ……』
「ヒーローが泣き言をいうか！！」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿私はずっと困っていた
何度も何度も助けを求めては、こないその光に
打ちひしがれて擦り切れて
「Aちゃん、その痣………」
『…あ〜、ドジしたの。訓練で擦りむいて』
「擦りむいた位じゃそんな怪我しないでしょ。
…正直に答えて、Aちゃん。
これクロックさんじゃないかなぁ？」＿＿＿＿
あの日、ホークスが差し伸べたその手。
けれど、その時にはもう何もかもが元通りにはいかなかった＿＿＿
ぐしゃぐしゃに丸めた紙を元に戻しても
そのシワが消えるわけじゃない。
傷は残る。その傷を連れたままAは歩けない。
歩けなかった＿＿＿＿＿。
『放っておいてよ。いつもみたいに、見なかったことにしてよ!!なんで、今。今更＿＿＿＿＿』
｢なかったことにできるわけなか｣
＿＿＿『ほ、ホークス。飛んでる、飛んでる！』
自分の愚かさに何度胸を締め付けられたか。
彼女を救った気でいた。それは本当に救えてなくて、彼女はずっと、孤独に生きて。それを無かったことになんてできない
『…大嫌い。みんな、大嫌い
お父さんもお母さんもヒーローもみんなみんな』
｢うん｣
『ヒーロー ヒーロー 馬鹿みたいに憧れるみんなが大嫌い！！』
｢うん｣
『おかしいでしょ？このヒーロー社会で
私は要らない子なんだよ！』
｢それでも俺は貴方を放っておけない｣
『私が、どんな思いで今日まで生きてたか知らないくせにｯ!!』
緑谷｢分からないよ、君のこと。
だって僕と君は違う人間だから。
君がしてきたことは許されることじゃない。
何人も殺した！何人も傷つけた！それは君にどんな過去があっても理由があっても、許せない｣
『私は許されたいわけじゃない』
緑谷｢でも！理解はしたい｣
『…ｯ!!』
緑谷｢君の過去が消えないように、君が君であることも変わらないから。いい所もダメな所も。ヒーローが嫌いなことも。僕は否定しない｣
『なんで＿＿＿＿＿』
緑谷｢…君が言う、正しいヒーローでいたいから。
泣いている君を救いたい。それじゃダメかな｣
誰でもよかった。誰か一人でも赦してくれたら
そう思って孤独を彷徨って
ヒーローという光に群がるみんなの背中を
ただじっと眺めていた
許されない感情に蓋をして＿＿＿＿＿＿＿
『そっか』
いつの日かみたような優しい笑顔で彼女は笑った
『ありがとう、ヒーロー』
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SEI(プロフ) - ナナシさんさん» はじめましてコメントありがとうございます！是非是非楽しんで読んでいただければ幸いです (8月19日 1時) (
レス) id: aa2a9e2f26 (このIDを非表示/違反報告)
ナナシさん - 初めまして！凄く面白かったです！これからI want to be a Hero.やPlease give it back____.も読みに行きます！これからも頑張ってください！ (8月18日 21時) (レス) @page43 id: 84422b431c (このIDを非表示/違反報告)
SEI(プロフ) - サエさん» コメントありがとうございます！私宛ですかね？？ヒーローという光があればその分影も絶対にあると思っているので、そういう風に読んでいただけて光栄です！ご愛読ありがとうございました！！ (7月29日 0時) (レス) id: aa2a9e2f26 (このIDを非表示/違反報告)
サエ(プロフ) - 今回Rioさんの作品を読んで理不尽な社会での主人公がどう思っていたのかが文字だけでも伝わって思わず泣いてしまいました。まだとても良かったと伝えたいところが沢山ありますが、一つ言えるとするならとっっっても面白かったです！ありがとうございました。 (7月28日 22時) (レス) id: 42efebf64e (このIDを非表示/違反報告)
SEI(プロフ) - RIOさん» Rioさん、はじめまして！コメントありがとうございます！そう言って貰えて光栄です、最後までありがとうございました (7月14日 0時) (レス) id: aa2a9e2f26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SEI | 作成日時：2023年6月29日 23時
