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_グイッ
重力に従っていくAを力いっぱい引っ張りあげ
緑谷はその腕にAを抱きかかえる
『……ほんとかっこいい』
また、生かされた。意味もなく。ただ救われて___
『なんで救ったの?
あのまま落ちたら寝覚めが悪いから?
大丈夫。敵が死んだとこで皆、何とも思わない』
<クロックが虐待をしていたことが発覚致しました>
<どうなってんだヒーローは>
<行き過ぎたヒーロー教育ともいえますね>
いつだって、みんなが見ているのは
カッコイイ ヒーローショーだから_____
緑谷「違うよ、Aさん」
そのヒーローは彼女に真っ直ぐ向き合った
緑谷「君が泣いていたから、助けなくちゃって思った。君が助けを求める顔をしてたから、助けに来たんじゃないか」
_『緑谷くん……ッ』
去っていく君の姿が悲しげにみえた
あの子を救いたい。そう本気で思っている
緑谷「君がどんな人間だって、見捨てない。
僕はヒーローだから」
『…じゃあ、助けてよ、今すぐ』
_ドンッ
ほんの一瞬の隙
Aは緑谷を掴んで下へ落ちていく
Aに掴まれていては個性が使えない
為す術ないまま共に落ちる_____
『ほら、力づくで振り落とさないと
一緒に死ぬだけだよ?』
緑谷「…ッ」
__『個性が全ての残酷な世界でただ1人
私と一緒に堕ちてくれるってそう思ってた。』
ずっとずっと彼女が求めていたのは
彼女の全てを理解してくれる人だった
無個性だったあの時の僕にしか救えない
そうかっちゃんは言ってたけど、違う____
緑谷「放さない!!!!!!」
今の僕だから、君を助けることが出来る
緑谷「君を助けるために僕はきたんだ!!」
2人はどんどん堕ちていく
下へ、下へ、下へ____
緑谷「(手を振りほどいて個性を使うのがベスト、だけどそれじゃAさんを本当の意味で救えない。考えろ、考えろ出久!!!)」
掴んでいるその手を放さないように
それでいて2人とも助かる方法を模索していた
その時
_ピュン
赤い羽根が舞いこんでくる
「Aちゃん!!!」
その羽は2人の背中をひっぱるように浮いて
ふわりと地面に着地する
未だにバクバクする心臓。
それが生きていると実感させる
「Aちゃんッ、緑谷くん!!」
バタバタと駆け寄る大人たちの足音
「待ってください、まだ話があるんです」
「気持ちはわからんでもないが、まずは捕らえてから…」
「今じゃなきゃ、今じゃなきゃダメなんです」
今日こそ必ず、君を救うと決めたから
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SEI(プロフ) - ナナシさんさん» はじめましてコメントありがとうございます!是非是非楽しんで読んでいただければ幸いです (8月19日 1時) (レス) id: aa2a9e2f26 (このIDを非表示/違反報告)
ナナシさん - 初めまして!凄く面白かったです!これからI want to be a Hero.やPlease give it back____.も読みに行きます!これからも頑張ってください! (8月18日 21時) (レス) @page43 id: 84422b431c (このIDを非表示/違反報告)
SEI(プロフ) - サエさん» コメントありがとうございます!私宛ですかね??ヒーローという光があればその分影も絶対にあると思っているので、そういう風に読んでいただけて光栄です!ご愛読ありがとうございました!! (7月29日 0時) (レス) id: aa2a9e2f26 (このIDを非表示/違反報告)
サエ(プロフ) - 今回Rioさんの作品を読んで理不尽な社会での主人公がどう思っていたのかが文字だけでも伝わって思わず泣いてしまいました。まだとても良かったと伝えたいところが沢山ありますが、一つ言えるとするならとっっっても面白かったです!ありがとうございました。 (7月28日 22時) (レス) id: 42efebf64e (このIDを非表示/違反報告)
SEI(プロフ) - RIOさん» Rioさん、はじめまして!コメントありがとうございます!そう言って貰えて光栄です、最後までありがとうございました (7月14日 0時) (レス) id: aa2a9e2f26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SEI | 作成日時:2023年6月29日 23時