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＿ｻﾞｧｧｧｧ
風が2人の間をすりぬける
4月になったというのにその風はまだ少し冷たさを帯びる
緑谷｢死柄木はどこにいる？｣
『……知らない』
緑谷｢君は死柄木と共に逃げただろ。
近くにいるのか？｣
『だから、知らないって』
＿ｷﾞｭｯ
無意識に縛る力が強まる
『…ｯ、いいね。緑谷くん。
そう、その目だよ。ヒーローが自分の勝手を押し付けるその目。もっと見せてよ』
緑谷｢ふざけるなｯ!!!死柄木の居場所を!!!｣
『教えたら弔くんは帰ってくるの？』
どろりとしたその瞳にはもはや緑谷は映っていない
『なんにも要らない。私は何も要らないよ。
ただ、壊れてく世界を一緒に見れたらいいなってそう思ってたのに＿＿＿＿＿』
＿＿＿＿＿隣に彼はいない。
ヒーローは、弔くんのことだってどうだっていい。
ただ自己満足のために、市民のために
彼を嬲り殺すんだ。世間はそれを否定しない
たとえ彼が救いを求めてもAが求めても
誰も決して耳を貸さない。敵だから
社会に都合の悪い存在だから
『どうしてヒーローを好きにならないといけないの？
私のヒーローは居ない
でもね、分かってる。このヒーロー社会でおかしいのは私
社会にとって 蓋をしたい 要らない人間。初めからそう。
だから＿＿＿＿＿＿』
＿｢来世は個性が宿ると信じて屋上からのわんちゃんダイブ｣
彼女は、その青に背中から飛び込んだ
＿ｶﾞｼｯ
めいっぱい緑谷は黒鞭でAを引っ張りあげようとする
緑谷｢ｯ!!!!!｣
『ねぇ、緑谷くん。聞こえてる？』
＿ﾄﾞｰﾝ
かすかに聞こえる破壊音が空に響く
『街のあちこちで暴動が起きてるのにさ
無責任なヒーローはみんな辞めちゃって
今、街を救う人がいないんだよ。』
｢それを守って！君も守る！｣
力の限り緑谷はAを引っ張る。
集中して、その紐が途切れないように
『私が上まで引っ張り上げられるまでに
何人が死ぬのかな』
｢誰もｯ死なせないｯ!!!｣
『笑いなよ、ヒーロー！
そんな顔で何を救うつもり！？
いつもみたいに切り捨てればいいよ！
私は所詮敵だから』
「君だって、笑ってないじゃないか！！！」
ヒーローは、彼女を決して見放さない
＿＿＿泣いている女の子 1人救えない何がヒーローだ。
もう、彼女を1人にはさせない＿＿＿＿＿。
緑谷は力のままにAを上まで引っ張りあげ抱きしめる
｢君が泣かない世界を、僕は作る
そのためのヒーローだから｣
彼の言葉も体温もその全てが温かくて心地が良い＿＿＿
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SEI(プロフ) - ナナシさんさん» はじめましてコメントありがとうございます！是非是非楽しんで読んでいただければ幸いです (8月19日 1時) (
レス) id: aa2a9e2f26 (このIDを非表示/違反報告)
ナナシさん - 初めまして！凄く面白かったです！これからI want to be a Hero.やPlease give it back____.も読みに行きます！これからも頑張ってください！ (8月18日 21時) (レス) @page43 id: 84422b431c (このIDを非表示/違反報告)
SEI(プロフ) - サエさん» コメントありがとうございます！私宛ですかね？？ヒーローという光があればその分影も絶対にあると思っているので、そういう風に読んでいただけて光栄です！ご愛読ありがとうございました！！ (7月29日 0時) (レス) id: aa2a9e2f26 (このIDを非表示/違反報告)
サエ(プロフ) - 今回Rioさんの作品を読んで理不尽な社会での主人公がどう思っていたのかが文字だけでも伝わって思わず泣いてしまいました。まだとても良かったと伝えたいところが沢山ありますが、一つ言えるとするならとっっっても面白かったです！ありがとうございました。 (7月28日 22時) (レス) id: 42efebf64e (このIDを非表示/違反報告)
SEI(プロフ) - RIOさん» Rioさん、はじめまして！コメントありがとうございます！そう言って貰えて光栄です、最後までありがとうございました (7月14日 0時) (レス) id: aa2a9e2f26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SEI | 作成日時：2023年6月29日 23時
