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__スタスタスタ
高専の廊下を歩く4人の姿
そこに、Aの姿はなかった。
乙骨「あの………萩原さんは一緒じゃないんですね」
真希「あいつは自己中だからな」
パンダ「真希」
萩原の名前を出した途端、真希の機嫌は悪くなる。
その理由すら乙骨には分からなかった
パンダ「Aはな、俺らと違ってもう準1級
任務の幅も桁も段違い 要するに一緒にいるメリットがないってところだな」
乙骨「へぇ…。」
そんなパンダの回答に真希は更に苛立ち舌打ちをする。沈黙がしばらく続いた後だった
真希「オマエ
イジメられてたろ」
そんな真希の言葉が乙骨に重くのしかかる
___「おいおい寂しいこと言うなよ…」
真希「…図星か。
分かるわぁ、私でもイジメる。
呪いのせいか?
"善人です"ってセルフプロデュース
顔に出てるぞ。気持ち悪ィ」
___「こんなに焦らされたら、うっかり殺しちゃうぞ?」
脳内をよぎる嫌な記憶。
真希「なんで守られてるくせに被害者ヅラしてんだよ。
ずっと受け身で生きて来たんだろ。
なんの目的もなくやってるほど呪術高専は甘くねぇぞ」
パンダ「真希!それくらいにしろ」
真希「分ーったよ、うるせぇな」
そういって吐き捨てると真希は1人先に向かっていく
パンダ「すまんな
アイツは少々他人を理解した気になる所がある」
乙骨「……いや本当のことだから」
_ドロリ
足元に垂れてきた同級生の血を今でも思い出す。
乙骨の顔は浮かないままだった_____。
_バタン
車の扉が勢いよく閉まる。
いつも見なれた光景。
伊地知「萩原術師、おはようございます」
『伊地知さん、お願いします』
伊地知「いえ、こちらこそ。では、出発します」
本当は苗字で呼ばれるのは好きじゃない。
でも、伊地知の性格上、譲らざるを得なかった。
___「あんたなんか産みたくなかった」
私を産んだ女に、そう叫ばれたことがある。
Aなんて名を呼んだこともなければ
愛おしそうに言われた経験すらない。
それなのに、【家族】という事実は変わらなくて苗字がそれを強く意識させる。
伊地知「では、帳を下ろします。ご武運を____」
_スンッ
世界と世界を隔てる壁
そこに1人残された
術師が命を張ってることも、呪霊の存在も彼らは知らない
それでもAは呪霊を祓う
黒い禍々しい呪霊玉を取り込んだ先に微かな光があると信じて
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作者名:SEI | 作成日時:2023年2月5日 12時