ずっと隠してきた事 ページ35
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『…………っ!』
ア「…あの状況で出た言葉ですから、もしかして…とは思っていましたが、さっきまでのあなたの僕への態度でほぼ確信へ変わりました」
……う、嘘だ…
…お父さんに暴力を振るわれていたことも、男の人が苦手だってことも…
…幼い頃からずっと隠してきた……もちろんこの先も、人に言うつもりなんてなかった…
…だって…
"父親に暴力をふるわれたから男性が怖くなって全員を避ける"…なんて、
実際は"その人自身の中身をろくに見もせずに、勝手に相手を嫌な人間だと決めつける"……そういうことと一緒だと思ってたから…
『……ごめん…なさい……』
ア「………はぁ、別に僕はAさんに反省をしてほしくてこんな話をしているんじゃありません…」
『………すみま…せん……』
…今、アズール先輩は私をどんな風に思ってるんだろう…
男の人を避けていた私が言えたことではないけれど、……もう嫌われてしまったんだろうか…
そんなことを考える私を前に、アズール先輩は部屋のドアの方を少し見た後、私の正面に来て優しく話しかけた。
ア「…Aさんが今何を考えているの分かりませんが、決して自分を責めることはありません。なぜなら、僕たちはちょっとやそっと避けられたくらいで凹むようなタマではありませんからね」
ア「それに…対価をしっかり払って頂ける方には無下な扱いをしないのが僕たちのやり方です」
『…そ、そうなんですね…』
対価のおかげで形だけでも先輩たちに見放されないのなら対価も悪いものじゃないな……
そう思った私が笑ってそう返すと、
アズール先輩は居心地悪そうな表情をしながら私の頭に優しく手を置き、少し屈んで続けてこう言った。
ア「…無理に笑うんじゃありませんよ。……つまり、その…言い方を変えれば………僕たちは貴方を傷つけることなんてしませんし、皆喜んでAさんの力になるという事です」
『…………ぇ…?』
ア「……きっとジェイドやフロイドも同じように言うと思いますよ。…………ね、そうでしょう?そこで隠れて聞いてるバカウツボ共」
『…………?』
アズール先輩がそう言って睨みつけた視線の先を見ると、厨房のドアの窓から寮服の帽子が2つ覗いていた。
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いえゃあ - ええええkjksにsんじゃあばばばばばb更新停止ぃ!?うそんめちゃすきなのにぃ… (11月25日 11時) (レス) @page37 id: 7215328c99 (このIDを非表示/違反報告)
らいおん - うううう、好きです。 (2020年11月2日 23時) (レス) id: 8515bd1858 (このIDを非表示/違反報告)
おむすび(プロフ) - お茶さん» キャァァアそう言って頂けて嬉しいです頑張りますぅぅう (2020年10月22日 18時) (レス) id: 8492654494 (このIDを非表示/違反報告)
お茶 - ダメだぁプロローグだけで甘酸っぱい予感と神小説だと感じた応援してますうう (2020年10月22日 5時) (レス) id: 805b7b5a58 (このIDを非表示/違反報告)
おむすび(プロフ) - 氷さん» うぅぅっありがとうございます泣 存在が罪ですよね分かります笑 (2020年10月21日 19時) (レス) id: 8492654494 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おむすび | 作成日時:2020年10月20日 21時