夜道を二人 ページ25
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『……ホントにすみません…』
ジェ「僕は全然大丈夫ですから、どうかお気になさらず」
オクタヴィネルを出た後、歩く度に痛そうにしていた私を見たジェイド先輩は、
ジェ「良ければ…おんぶ、しましょうか?」
と言って、片手に私の荷物を持ちながら私をおんぶして今、オンボロ寮までの道を歩いてくれている。
風で髪がなびく度に髪から香るシャンプーの匂いに、不覚にもドキッとしてしまいそうだ。
ジェ「…Aさんは、僕や…フロイド達のことが怖いですか?」
『………ぇ?』
突然ジェイド先輩にそんな事を聞かれ、意味がよく理解出来なかった私は無意識に聞き返していた。
ジェ「…僕達、よく人に怖がられるんです。自分達がそう思われるような事をしてしまっているんでしょうが……」
おんぶをされていて先輩の顔は見えないけれど、声色で少し悲しそうなのが分かる。
ジェ「…Aさんもその……僕達を見る時、少し怯えたような目をしているので…」
『……っ!』
…やっぱり、顔に出ちゃってたんだ…
頑張って笑ってたつもりだったんだけどな…
でも私は……先輩達だから怖いって訳じゃなくて…
『…私は……』
”男の人が怖い”
……なんて言ったら嫌われる…?
…昔のことを……本当のことを話したら……?
…………
ジェ「…Aさん?」
『…ぇ?あっ…いや…!こ、怖くないですよ…!』
考え込んでしまっていた私は先輩に名前を呼ばれ、咄嗟にそう答えた。
するとジェイド先輩はクスッと笑って、
ジェ「ふふっ、反応が正直ですね」
おかしそうにそう言った。
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そして少しの沈黙が続いた後、
オンボロ寮に着き、玄関の前でおろしてくれた先輩は荷物を私に渡す。
ジェ「学園長の方には、僕達から伝えておきますので良くなるまでゆっくり休んでください」
『…ありがとうございます…』
ジェ「いえ」
ニコッと微笑む先輩に会釈をして玄関のドアノブに手をかけると、反対側の腕を先輩に優しく掴まれる。
『…?』
ジェ「…あの、まだ怖いかもしれませんが……いつか僕のこと…好きになってくださいね」
『………ぇ?』
先輩はそう言うと「おやすみなさい」とだけ私に言って、オクタヴィネルに帰って行った。
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いえゃあ - ええええkjksにsんじゃあばばばばばb更新停止ぃ!?うそんめちゃすきなのにぃ… (11月25日 11時) (レス) @page37 id: 7215328c99 (このIDを非表示/違反報告)
らいおん - うううう、好きです。 (2020年11月2日 23時) (レス) id: 8515bd1858 (このIDを非表示/違反報告)
おむすび(プロフ) - お茶さん» キャァァアそう言って頂けて嬉しいです頑張りますぅぅう (2020年10月22日 18時) (レス) id: 8492654494 (このIDを非表示/違反報告)
お茶 - ダメだぁプロローグだけで甘酸っぱい予感と神小説だと感じた応援してますうう (2020年10月22日 5時) (レス) id: 805b7b5a58 (このIDを非表示/違反報告)
おむすび(プロフ) - 氷さん» うぅぅっありがとうございます泣 存在が罪ですよね分かります笑 (2020年10月21日 19時) (レス) id: 8492654494 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おむすび | 作成日時:2020年10月20日 21時