お迎え ページ18
結局、ボスからのお小遣いを使うことはほとんどなかった。買おうと思ったものはだいたいみんなに買われてしまったのだ…自分でも払えるのに。
自分がしたいんだ、と言って、私に買わせてくれない。自分でお金を出したのは、オレンジジュースと……あと、緑のバレッタ。
たまたま見かけたそれが、その色が、なんだか先生みたいだな…と思って。気づいたら、買っていたのだ。髪留めなんてつけたこともないのに。
…まぁ、でも。今日の思い出と考えればいいかな。使う時は、誰かに頼もう。自分では上手く出来ないだろうし…
「ニカイドウ」
最初に待ち合せた場所でぼーっとしていたら、声をかけられた。
持っていたバレッタを慌ててポケットに突っ込み、立ち上がる。
「すまない、待たせたか?」
「大丈夫。ついさっきまで、ジョルノとお話してたから」
「……ジョルノ、か」
先生が、眉間にシワを寄せる。なんだか不機嫌そう…でも、なんで?
先生がなんでそんな顔をするのか、私は知らない。図書館でメローネさんとお話をしたと話す時も、同じ顔をするのだけれど…
「先生、早く帰ろ。疲れた」
難しい顔をして動こうとしない先生に声をかける。
するとハッとしたような顔をして、すまない、と言いながら、荷物を車に詰め込んだ。
「随分と買ったんだな…楽しかったか?」
「うん、とっても。今度は先生と来たい」
「…そうか。休みが取れたら、一緒に行こう」
優しく頭を撫でながら、先生は嬉しそうに笑う。
…うん、そっちの方が、私は好きだな。
「買い物中、何も無かったか?怪我はしていないな?」
「ないよ、大丈夫。怪我もしてない」
「そうか…なら、いいのだが」
「あ、でも、なんぱとやらはされました」
「………………………その話、詳しく聞かせなさい」
「えっ」
40人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
馬刺し(プロフ) - 銀閣 萌奈華さん» えぇ、勿論です!私の作った子であると分かるようであれば問題はありません。描いていただけるなんて光栄です!詳しい設定はTwitterに記載してありますので、お手数ですがそちらをご確認ください。 (2020年2月29日 17時) (レス) id: e607740f63 (このIDを非表示/違反報告)
銀閣 萌奈華(プロフ) - 馬刺しさん» 私、イラスト集を作っているんですが、良ければ夢主ちゃんの絵描かせてもらっても良いですか? (2020年2月29日 17時) (レス) id: 0f825d67dc (このIDを非表示/違反報告)
馬刺し(プロフ) - 銀閣 萌奈華さん» ご存知でしたか!何度も検索をかけて、イタリアにある童話で出てきた作品だったので…そのお話を聞けて嬉しいです。コメントありがとうございます。 (2020年2月29日 7時) (レス) id: e607740f63 (このIDを非表示/違反報告)
銀閣 萌奈華(プロフ) - あ〜三つのオレンジ知ってる!お母さんイタリア人だから読み聞かせしてくれてたなぁ。懐かしい(*´-`) (2020年2月28日 23時) (レス) id: 0f825d67dc (このIDを非表示/違反報告)
馬刺し(プロフ) - いずもさん» ありがとうございます!原作もかっこいいですし、原作を軸にしたものも好きですが、やはり平和に、ほのぼのとした世界もいいですよね。 (2020年1月24日 6時) (レス) id: e607740f63 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:馬刺し | 作成日時:2020年1月16日 8時