△ ページ38
家に帰って、ご飯を作ろうとした時
岩ちゃんに呼ばれた
真剣に話がしたいって、真っ直ぐな目で言われた
岩ちゃんの隣に座ると、急に抱き締められた
「岩ちゃん…どうしたの？」
剛典「好き…臣さんじゃなくて俺と一緒にいて」
「が、岩ちゃん…」
剛典「返事は明日、臣さんに拾われた公園で聞く
…それ以外の時に返事は絶対に聞かないから」
「うん…あのね岩ちゃん、私病院行くね」
剛典「え、どっか悪いの！？」
「ううん…お母さんのこと、心配なの」
剛典「…そっか、明日連れてってあげるね」
岩ちゃんは、私のお母さんについて
何も聞いてこなかった
それでいいはずなのに、どこか寂しくなった
全部受け止めてほしいって思っちゃったんだ
私の基準は、全部臣さんになってた
たとえ、妹になったとしても…そばにいたかった
「っ、岩ちゃん…うぅ…」
いつの間にか私は寝てた
目が覚めた時はもう次の日で
私はボストンバッグから着替えを探した
その中に、臣さんとお揃いの服は無かった
臣さんが、きっと
私のことを思って選んでくれた服だけ
そしてバッグの奥底には
私が臣さんに似合うと思って選んだ服が
ありがとう、と文字と共に入ってた
いっつもそう
大切なことは口にしない
また、違う意味で涙が視界を歪めた
「っ、いってきます…」
流れる涙も無視して家を出た
病院までの道のりは本当に遠くて、寂しかった
騒がしいはずの都会に、音はなかった
いろんな色で彩られてるはずなのに
私の目には色なんて、存在しなかった
「…太田奈緒美の娘なんですけど」
看護師「こちらへどうぞ」
病室のドアを開ける手が震えた
ドアを開けた先には、ベッドで寝るお母さん
ベッドの隣のテーブルには沢山の折り紙があった
看護師「太田さーん、娘さんが来ましたよ」
奈緒美「…だ、れ…？」
「…へ？」
奈緒美「私に、むす、め…？」
看護師「あ、こ、混乱してるのかしらね？笑…」
医師「太田奈緒美さんの娘さんだね…？」
「…はい」
医師「…話があります」
誰も通らないような場所にある会議室
私と母の担当医と、母しかいない
誰も声をかけようとはしない
母はただ、ずっと折り紙を折ってる
医師「まず…奈緒美さんは記憶喪失です」
「…はい」
医師「そして…脊髄小脳変性症という病気です」
神様は本当に意地悪だな
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1252人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美紀 - GENE大好きで涼太くんとあらんくんとれおくんよりのオールです最高です三代目は臣君と岩ちゃんと今市君寄りのオール担当です最高です (2019年4月9日 19時) (
レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
トトロ - きゃー！仲直りしてくれてありがとーｗｗ (2017年1月14日 13時) (レス) id: 49748b576a (このIDを非表示/違反報告)
トトロ - 臣ちゃんに決まってらー！ｗｗ一様個人の意見として、トトロ『絶対臣！』ｗｗ (2017年1月13日 16時) (レス) id: 49748b576a (このIDを非表示/違反報告)
片寄 葉月(プロフ) - いちごさん» そんなこと言ってくれるとは思いませんでした！！ありがとうございます！！これからも応援よろしくお願いしますね！ (2017年1月13日 14時) (レス) id: c1a8e226da (このIDを非表示/違反報告)
片寄 葉月(プロフ) - トトロさん» ありがとうございます！！私も臣さん仲直りさせるかこのまま岩ちゃんにするか迷ってます！！良ければどちらがいいかコメントにお願いします！！ (2017年1月13日 14時) (レス) id: c1a8e226da (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：片寄 葉月 | 作成日時：2017年1月2日 0時
