＊七…8月19日＊ ページ8
私は緊張していた。けれど研磨には来なくていいと言った。
時間は全くわからなかったけど、多分14時。いつもなぜかこの時間に行くから。
10分前につくような計算で、そこ行った。
しかし、そこに神社はなかった。
神様はひどい。
ねえなぜ。私と黒尾が会える唯一の場所なのに。
待っててくれるんでしょ？黒尾
『8月19日。お前をあそこで待ってる。』
私をまたせんなよ。
近くにご老人が通りかかった。彼ならわかるかの思い、話しかける。
「ここに、神社はありませんか」
「神社か……、知らないなぁ。」
「そうですか……」
泣かないと決めてたのに、また涙が出てきてしまう。
泣いてしまう。
ポロポロと涙は溢れるけれどそれはどこに行くわけでもなく、まっすぐに地面に吸い込まれる。
「お嬢さん、悲しいことでもあったかな、ちょうどお花を持っているんだ。あげるよ。アネモネにはね、『見放された』、『恋の苦しみ』そんな意味もあるが、ほらこの紫のアネモネ。花言葉は『君を信じて待つ』だよ？」
そう言って老人は私の髪の毛にこの花を挿して、よく似合っているとにこやかに笑った。
その顔がとても素敵で、私も笑顔になって
「ありがとうございます」
といった。
老人が行ってしまって1人。時間は丁度14時。
「黒尾。私、ずっと待つよここで。君を信じて待つ。アネモネになってもいいかもね。」
すると、その時、ものすごい風が吹いた。
せっかくもらったアネモネが宙に高く舞ってしまう。
砂埃が目に入りそうで目を瞑る
そして次目を開けた時、そこには神社の鳥居があった。
((ここは、出会いの門))
そう風が言ってるような気がした。
迷わずその中へ入る。
『あなたに会いたいよ』
強く強く願いながら。
しばらく走り、広いところに出た時。
黒くてトサカな髪。優しそうでいたずらな笑い顔。
間違いなく、
私の最愛の彼氏、黒尾鉄朗である。
「黒尾！」
すぐに振り向いて、
「来てくれると思ってた。待ってたぜ。」
触れたくなった。抱きしめたくなった。
すぐに黒尾のとこへと走り思いっきり抱きつく。
「ごめんな。誕生日おめでとう。生まれてきてくれてホントにありがとな」
「私もごめん。私、今日という日絶対に忘れないよ。大好き。」
「ん。誕生日おめでとう。」
私は夏の暑い8月19、君想い、きみと出会う。
夏がくれた奇跡。
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作者名：マカロニサラダになりたい | 作者ホームページ：http:/
作成日時：2016年8月19日 23時
