*六…8月18日* ページ7
今日は土曜日な為、研磨と朝からカフェに来ていた。
「調べてきた。ど忘れした記憶の戻し方。」
「ありがと。研磨。」
「はいはい、まず1。深呼吸して落ち着いて」
「はーい」
ゆっくりと息を吸って吐いた。
「うん。おっけー」
「次、思い出すものと関係したものと繋げる。」
連想ゲーム的な?
「黒尾、好き、寂しい、サプライズ、誕生日……」
「Aって確かに誕生日19?明日だね。」
「…………………………」
「どした?」
「誕生日………サプライズ。何か関係してる気がする。」
「思ったより早く思い出せるかもね。はい次、その時と同じ状況にする。まず学校に行こう。」
私たちは学校に行って話をした教室に行った。
「この教室ね。で、その黒尾さんが中にいて、Aは外だったのね。」
「う、うん」
黒尾さん……か。クロって呼んでよ研磨
「なに?」
「なんでもないよ」
「じゃあその時五感のうちなんか憶えてないの?」
五感……匂い、色、音……
「黒尾の柔軟剤の香りがした。風が吹いてた。夕方、赤だった。音は、静かだった。」
「あとなんかないの。」
「ない……」
涙が出てきそうだった。黒尾に会いたい。もしこのまま会えなかったら?
実際に涙が滲んでいたようだ。
「泣かないでよ。がんばってよ。これしか方法はないんだよ。」
「うん、うん、うん。」
目をこすって、黒尾に会うまで泣かないと誓った。
「最後にワード。キーワードだ。多分なんかひっかかるのは、サプライズと誕生日だよね。」
「うん。」
「じゃあ、誕生日、今までなにしてた?」
「えと、黒尾と……近くの神社に毎年なぜか行ってた。」
「神社ね。なんか思い出さない?」
「神社、神社、ああそういえばその神社にはジンクスがあってね、そこで好き人と過ごすと幸せになるっていうので、だから毎年行ってた。あと、昔、ここは出逢いの門って呼ばれてたらしいの」
「出会いね…」
「もう一度整理すると、8月19日、誕生日、出会い、神社、黒尾、」
その時私はなぜか思い出した。
そうだ、黒尾はこう言った。
『8月19日。お前をあそこで待ってる。』
「ねえ、研磨、思い出した。」
「ほんと!?」
珍しく取り乱してるな。
黒尾はちゃんと私を待っていてくれてる。
私は黒尾のもとにかえらなくてはいけない。
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作者名:マカロニサラダになりたい | 作者ホームページ:http:/
作成日時:2016年8月19日 23時