*三…8月16日* ページ4
でもとりあえず謝らなくちゃなと私は思い、黒尾に朝一番に話しようとした。
やっくんにどこにいるかを聞く。
「ねえねえ、やっくん。黒尾どこにいるー?」
するとやっくんは首を傾けて、
「黒尾?誰それ知り合い?」
なに言ってんだ、
「ちょ、どーしたのー!黒尾鉄朗よ、バレー部主将の〜」
なんのいたずらかと思って笑いながら言った。
「お前、どーした?主将は海だろ?ぼけたか?黒尾って誰だよ」
やっくんは私を馬鹿にしたような顔をした。
え?なに言ってんの。黒尾だよ黒尾。トサカで意地悪で、優しくて、
私の彼氏の。
月島くんならわかるかもしれないと思い、彼に電話をかけた。
『もしもし月島くん〜?黒尾さんって誰かわかるよね!?』
いきなり変だというのも気にならなかった。
『え?なに言ってるんですか、馬鹿になっちゃったんですか、黒尾って誰ですか』
思わずケータイを落としてしまった。これは認めなくてならない。
『ちょっと!?春野さん?春野さっ』
プチっと電源を落とす。
それからなにもしないまま、8月16日がおわった。
今日わかったことは、
1つ、この世界に黒尾鉄朗はなぜか存在しない。
2つ、それは昨日の私が原因。でも黒尾が最後に言った言葉をどうしても思い出すことができない。
そして3つ、黒尾が突然に消えたわけではなく、私が黒尾と違う世界に行った。
なぜそう思ったかというと、
私はずっと日記をつけていて、こちらの私も日記をつけていた。それを見た私はびっくりする。
黒尾抜きにしても、思い出がずれすぎている。
それぞれの人との関係や出来事が違いすぎる。
だから、私がいるこの世界は私がいた世界ではないのだ。
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作者名:マカロニサラダになりたい | 作者ホームページ:http:/
作成日時:2016年8月19日 23時