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Fside
言って欲しいんじゃない、なんて言ったが
そんなことを言わせているのはこの俺だろう。
「冷たい態度とってごめん。あんな態度も言い方もしたいわけじゃなかった、でも俺」
「いいよ、分かってるから…大丈夫。
藤ヶ谷が気にすることじゃ」
「違う、そうじゃなくて…聞いて」
握る手に力を入れる。関係が崩れるかもしれない。
でも、北山もそうじゃないかって感じることがある。
だって、俺らは今までもずっと…何でも言葉なしで通じてきたから、わかってしまう。
だけど、今は、言葉にするべき時だ。
「これ以上、好きになりたくなかったから」
「…えっと、」
「嫌われようって、近付かないでおこうって思って。
でも、心配で、怖くて、あんな北山もうみたくなくて…キツイことも言った」
固まる北山の体を思い切って抱きしめる。
「本当は北山のこと好きで、好きで堪らない」
北山が、震える声で俺を呼ぶと、背中に腕が回された。
もっともっと、早く言葉にすれば良かった。
「今まで酷いことしたから。その分これからは…めい一杯に傍で、北山のこと支えたい」
「酷いことされたなんて、思ってない…っ」
嗚咽が聞こえ出したから、慌てて体を離す。
「泣かないで。苦しくならない？」
北山の頬に手を当て、顔を上げさせながらそう聞くと
両手で涙を拭いながらコクコクと頷かれた。
「ふじがや…っ」
「なに？」
「俺も好き、藤ヶ谷が」
「ああ…っ、苦しくなるよ！」
すごく嬉しいことを言ってくれたのに、両手で顔を覆って泣き出すから、焦ってそれどころじゃなくなってしまう。
そんな様子の俺を見て笑った北山が、大丈夫だよと抱きついてきた。
「本当に大丈夫？」
「本当に大丈夫だって」
「本当に俺のこと好き…？」
「何回も言わせんなよ、好きだって…！」
「じゃあ、本当に苦しくない…？」
「苦しくないよ」
「キスしていい？」
驚く北山が可愛くて、守りたくて。
もう、泣かせたくなくて。
結局、いいよなんて言葉待たずに
キスしてしまった。
END 2023/01/31
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ちび(プロフ) - めっちゃ良いですね、藤北、から検索で来ました、ツイッターもリクエストさせてもらいました⚪︎何気ない藤北、めっちゃ好きなんです、ドラマのは私も妄想してたんでめっちゃ読んでてニヤニヤしちゃいましたわ🤭素晴らしいですね (2023年3月16日 13時) (
レス) @page33 id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻弓 想
| 作成日時：2023年1月15日 21時
