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Kside
…また、都合のいい幻覚を見た気がする。
そして、こんな頻繁に迷惑をかける事になるなんて。
もう完全に呆れられんだろうな。
「…え、ふじ、」
「きたやま…！」
目を開けたくなかった。
藤ヶ谷が助けてくれたことが幻覚とわかってしまうから。今、右手に感じる温もりが、藤ヶ谷なわけがないから。
「なんで…」
でも、藤ヶ谷だった。
重なる手も、今俺を心配そうに見つめる人も藤ヶ谷だった。
「ほんと、ほんっとに怖かった…北山ずっと苦しそうで、こんなこと言いたくないけど…っ
居なくなっちゃうんじゃないかって思って！」
「ふじがや…、」
「ねぇいつから？いつからこんなこと隠してたの…っ。この前が初めてじゃないよね？！」
寝ている俺の肩をガタガタと揺すられる。
藤ヶ谷の目からは雫がこぼれ落ちた。
「…心配かけて、ごめん。全部話すから、大丈夫だから…落ち着いて」
「…信頼ならないけど、本当に大丈夫なら…俺の家来て」
「…え？」
俺も話したいことあるから、と藤ヶ谷は言った。
・
本当に藤ヶ谷の家に通されてしまった俺は、お茶か何かを入れてる藤ヶ谷を横目に、ソファに座るのも何だか…と、ソファの下に腰を下ろした。
とにかくどうすればいいかわからない。
藤ヶ谷は温かいお茶を二つ机に置くと、北山から話してと、俺に向けるはずのない優しい声でそう言った。
「何ヶ月か前に、家で急に息できなくなって。何とか救急車呼んだのが…始まりで。過換気症候群って言うらしくて…不安なったりすると、頻繁に過呼吸を起こすようになった」
話すつもりなんてなかった。
隠し通せると思っていたから。いつも起こすのは家だったから…人前であんな風になると思っていなかった。
「…いつも泣いてるの」
「…え？」
「前の時も今回も。北山すごい泣いてた」
「前って、やっぱりあの時…藤ヶ谷が」
少し気まずそうに藤ヶ谷が頷く。
なんだ、あれも幻覚じゃ…。
「気にしないでって言っても無理かもしれないし、また迷惑かけるかもしれない。でも治すこと頑張るし、出来る限りこれ以上の迷惑は…」
「そんなこと言って欲しいんじゃない」
脚の上で握っていた手に藤ヶ谷の手がまだ重なる。
驚いて顔を上げると目が合った。
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ちび(プロフ) - めっちゃ良いですね、藤北、から検索で来ました、ツイッターもリクエストさせてもらいました⚪︎何気ない藤北、めっちゃ好きなんです、ドラマのは私も妄想してたんでめっちゃ読んでてニヤニヤしちゃいましたわ🤭素晴らしいですね (2023年3月16日 13時) (
レス) @page33 id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻弓 想
| 作成日時：2023年1月15日 21時
