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Fside
「北山」
「ふじがや…来て大丈夫なの」
「大丈夫はこっちのセリフ」
北山はトイレではなく、廊下の壁際に置かれてある椅子に座って壁にもたれかかっていた。
「…北山ごめん」
「え…なにが」
「みんなの前であんなこと言っちゃったから。
心配されるの嫌で、楽屋出てくる羽目になっただろうなって」
「別に、そういうわけじゃねーよ」
と言ってるが、多分、本当はそういうわけなんだと思う。
「空き部屋探すから一緒に行こう」
「いいよそんなの」
「よくない」
誰もいないのを確認して、北山の頬を両手で包む。
驚かれるか、やめろと言われるかと思ったが
そんなリアクションも取らず、されるがままで辛そうな表情を続けた。
「待ってて」
空き部屋が確保できた。
北山に部屋の場所だけ伝え、俺は毛布と温かいお茶とカイロを持って後から向かった。
「いる？お茶」
「うん…」
寝転んでいた北山をそっと起こしてお茶を飲ませてから
毛布を被せお腹へカイロを当てた。
「…はぁ、やばい」
「いたい？」
ため息をついた北山にそう尋ねると、こくこく頷かれた。
痛みに耐えているのか汗も流れている。おでこに張り付く前髪をスッと撫でた。
「俺さ…正直、お前が来ると思ってたんだ」
「え？」
「だから楽屋でた」
北山がゆっくり目を開けると、俺の顔を見てニヤッと笑った。
辛そうに、弱く。
「2人なれるだろうなーって」
「急にそんなこと言わないでよ。盛るよ」
「…お前、鬼だな。ここ仕事場だぞ」
「いや、ツッコむところそこじゃないから」
ふふって弱く笑った北山の手が、毛布からそっとでてきて頬に添えられた。
「キスだけならいいよ」
「は？」
グッと寄せられ軽く唇が当てられる。
北山は痛さマシになったわとまた辛そうに笑った。
「無理すなって言ってるんのにさ」
と言う俺の顔はさぞかし赤かったと思う。
END 2022/12/05
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ちび(プロフ) - めっちゃ良いですね、藤北、から検索で来ました、ツイッターもリクエストさせてもらいました⚪︎何気ない藤北、めっちゃ好きなんです、ドラマのは私も妄想してたんでめっちゃ読んでてニヤニヤしちゃいましたわ🤭素晴らしいですね (2023年3月16日 13時) (
レス) @page33 id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻弓 想
| 作成日時：2023年1月15日 21時
