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Fside
北山のお腹をさすっていると、寝息が聞こえてきた。
良かった。今日は疲れているだろうし、このまま眠ってくれたら、明日の朝には少しは痛みもマシになっているはずだ。
という願いは叶わず、夜中に北山が気持ち悪いと目を覚ました。
北山はトイレである程度吐くと、ついでに替えるから出てくれと言われ、廊下で待つ。
「…寝室戻ってたら良かったのに」
トイレから北山が壁に手をつきながらフラフラと出てきて、そう言われる。
「ちゃんと労らなきゃですから」
ひょいと北山を抱え上げて、寝室へ戻る。
「さっきと別人だな」
「…ごめんって本当に」
「DV男みたい。殴った後優しくする的な」
「…はっ？！違うから！！」
「じょーだんじょーだん(笑)」
全然冗談になんないんだけど。と思いながら、
北山をベッドに入れて、布団を整える。
「今月酷いの」
「んー、ちょっとやばいかも…」
「仕事のとき、正直に言ってね。北山、すぐ無理するから」
「…はぁい」
北山がΩなのは俺しか知らない。
他のメンバーにただの腹痛だと言うことはできるけれど、正直に頼れるのは俺だけだ。
「みつ、顔真っ白。どーしたの」
次の日楽屋でたまにいきなり突っ掛かれてた。
「あーちょっと腹痛くて」
「え、顔色に出るほど痛いの。大丈夫？」
「大丈夫大丈夫」
男で貧血は珍しいから、言わないようにしているらしい。
腹痛とごまかすしかない。
しばらく楽屋のソファーで毛布に包まって眠っていたが、ふと北山を見ると、毛布からギリギリ見えていた目は力を込めてつぶられていた。
まるで何かに耐えてるかのように。
「ちょっと、北山大丈夫？」
渉との会話を遮って思わず声をかけた。
メンバーは俺が発言するほどだからよっぽどなのかと驚いて、一斉に北山へ視線が集まる。
「へいき、ちょっとトイレ行く…」
ゆっくり起き上がった北山が、ふらふらと立ち上がり、もたもた歩いてゆく。
「いや、全然平気そうじゃないけど」
とニカが言うも、無視して出ていってしまった。
立ち上がって後を追う。
みんなに、え？と言われたが、俺もトイレ行きたいだけだと言って出てきた。
多分嘘って思われてるけど。
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ちび(プロフ) - めっちゃ良いですね、藤北、から検索で来ました、ツイッターもリクエストさせてもらいました⚪︎何気ない藤北、めっちゃ好きなんです、ドラマのは私も妄想してたんでめっちゃ読んでてニヤニヤしちゃいましたわ🤭素晴らしいですね (2023年3月16日 13時) (
レス) @page33 id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻弓 想
| 作成日時：2023年1月15日 21時
