君は何も言わない FK ページ14
Fside
「…北山、暑いの？」
付き合ってるけど、人前じゃなかなか北山に喋りかけない俺が、思わず楽屋で口を開いた。
「えっ？あ〜…いや、」
「なに。どうしたの」
なんだか歯切れの悪い北山は、暑くも寒くもない楽屋で汗をかいていた。
本を読んでたらたまたまそれが視界に入って気になったから、こうして聞いてしまった。
「暑いっつーか、最近ジムで走ってたら代謝良くなったんだよなー。でもみんな暑くないのに冷房つけるのは申し訳ないしさ、トイレついで外出て涼んでくるわ！」
勢いよく喋り倒したかと思うと、そのまま北山は楽屋を忙しなく出て行った。
珍しく話しかけたから、よっぽどかと思われたのだろうか。
俺がまた本に目線を落とすと、渉に肩を叩かれた。
「なに？」
「最近ミツと会ってる？」
何言ってんだ？と思いながら
会ってるじゃんと先ほどまで北山がいた位置を指しながら答えたら、渉は呆れた表情をした。
「いや、なんなの」
「ダメな彼氏だな」
は？と眉を顰めると、そんな会話を聞いていた玉がクスクスと笑う。わたストレートすぎ〜とか言いながら。
え、でもそれじゃ…
玉もそう思ってるってことになるじゃん。
北山が暑がっていたら、何で俺はダメな彼氏ってことになるんだよ。
「ミツはなかなか口に出さないよ」
「何なんだよさっきから」
このままじゃ去る時も無言かもね？
なんて全く冗談にならない冗談を言われる。
「去るってなんだよ」
「そのままだけど？」
ダメな彼氏と言われ、シンプルにプライドが傷ついた俺は、仕事終わりに北山の家へやってきた。
そうえば久々だ。いつぶりだろう。
…と考えると、北山が俺の家へ会いにくることばかりだ。
確かにこれじゃダメな彼氏と言われかねない。
「きたやまー？」
合鍵で入ると、シンとした家の中。
あれ？居ないのか？と思ってると、寝室の扉が開き
何してんの？という顔の北山が出てきた。
「え…ふじがや？どうかした？」
「あ、いや。急に来ちゃダメだった？」
どうかしたかと聞かれると…
理由は言えないから途端恥ずかしくなった。
「…ダメじゃないよ」
ふわっと笑った北山が近付いてきて、抱きついて来た。
…かわいい。
体を離すと上目遣いで、泊まる？と聞いて来たから頷くと、お風呂へ通してくれた。
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ちび(プロフ) - めっちゃ良いですね、藤北、から検索で来ました、ツイッターもリクエストさせてもらいました⚪︎何気ない藤北、めっちゃ好きなんです、ドラマのは私も妄想してたんでめっちゃ読んでてニヤニヤしちゃいましたわ🤭素晴らしいですね (2023年3月16日 13時) (
レス) @page33 id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻弓 想
| 作成日時：2023年1月15日 21時
